☆質問
『有限会社ですが、景気が悪くて累積の損失がかなり溜まって
います』
『損失を繰り越しても、利益が出ないため利益と相殺すること
ができなくて、毎年過年度の損失が期限切れで切り捨てられて
しまってます』
『今回、よい商売が見つかって、銀行から融資を受けたいので
すが、今の決算書では債務超過の状態のため融資を受けること
ができません』
『昔から会社で持っている含み益のある土地はあるのですが、
何かウルトラCはないんですか?』
★回答
土地の含み益を益金として計上できると、問題となっているこ
とがすべて解決しますね。
☆質問
『そうですね。しかし、会社の土地を売却するわけにもいきま
せん』
★回答
会社の土地を売却しなくても、含み益を益金として計上できる
方法があります。
☆質問
『え~そうなんですか?』
『そんな、魔法みたいなことができるんですか?』
★回答
現在の有限会社を組織変更して株式会社にすることによってで
きるんです。
☆質問
『はぁ・・・』
★回答
税法では、資産の時価が現在の帳簿価額より高くても、差額を
評価益として計上することを原則として認めていません。
しかし、例外があるのです。
組織変更時には資産の評価益の計上が税法上認められているの
です。
☆質問
『ということは、現在の有限会社を株式会社に組織変更すれば、
会社所有の土地の評価益を計上することができるということで
すね?』
★回答
そのとおりです。
土地の含み益を計上しても、過去からの繰越欠損金と相殺され
て、会社で税金が発生することはありません。
土地の評価益を計上することにより、土地の帳簿価額は時価ま
で増額され、将来この土地を売却した時には売却益がその分少
なくなり、売却にかかる税金も安くなります。
過去からの損失である繰越欠損金を有効利用できるわけです。
そして、土地の評価益により会社の決算書は劇的に改善し、債
務超過も解消されるでしょう。
☆質問
『すごいですね』
『実行を計画してみます』
★回答
実行するならなるべく早くやってください。
☆質問
『なぜですか?』
★回答
現在国会で審議中の新会社法が来年施行されると、この扱いが変
わりそうなのです。
☆質問
『組織変更をしても評価益を計上できないということですか?』
★回答
そうです。
新会社法では、現在の有限会社も株式会社の扱いとされ、そのま
ま特例有限会社として有限会社の商号を使えますが、当然商号を
株式会社にすることもできます。
この場合、組織変更で株式会社になるのではなくて、有限会社か
ら株式会社への商号変更という扱いになるということです。
ですから、組織変更による資産の評価益の計上は、できなくなっ
てしまうようです。
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。