司法書士事務所が別に持っている法人は、節税目的の色合いが強い存在です。
調査官は、司法書士事務所と業務委託先の法人との取引について聞いてきます。
●税務署
「業務委託って、具体的にどのような業務を委託しているのですか?」
▲納税者
「登記書類の作成や、登記所への書類提出、お客様との連絡など、司法書士事務所のほとんどの業務を委託しています」
●税務署
「業務委託契約書はありますか?」
▲納税者
「はい、あります」
●税務署
「そのコピーをいただけますか?」
▲納税者
「わかりました」
●税務署
「会社はこの司法書士事務所と同じ住所を本店所在地としていますよね?」
▲納税者
「はい、そのとおりです」
●税務署
「司法書士事務所と会社とで共通してかかる経費はどのようにしていますか?」
▲納税者
「売上げの割合で両者に負担させています」
●税務署
「なるほど」
「では、共通経費の割り振りの資料を見せてもらえますか?」
このように、調査官はいろいろ聞いてきますが、こちらもこの法人への業務委託の件については、周到に手続きを準備しましたから、ここまでは何事もありません。
「ところで、法人への業務委託費の金額ですけれど、チョッと額が多すぎるんではないですか?」
▲納税者
「多すぎるといっても、業務委託契約書で決めた額ですから・・・」
●税務署
「こんなに額が大きいと、個人の事業所得の大半が法人に所得として移行して、それが給与所得という形で個人事業者に還元されてしまいます」
「そうすると、公平な税の課税からして・・・うまくないですね・・・」
確かにそのとおり。
この調査官はよく分かっていらっしゃる・・・
To be continued
☆☆ 週刊節税教室 ☆☆ 第162号(2004/12/6)
【 アトラス総合事務所 】 http://www.cpainoue.com/
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■■■ 法人で別荘を持つ (その他) ■■■
☆質問
『私は小さな法人を経営しています』
『軽井沢に別荘を買おうと思っているのですが、個人で買うか、法人で
買うか、迷っています』
『どちらが税金上、有利ですか?』
★回答
別荘を個人で買っても、個人の税金が安くなるということはありません。
しかし、別荘を法人で買って、一定の利用料を支払って会社の保養所
として誰でも利用できるようにすれば、法人の税金が安くなります。
☆質問
『法人で買っても、私の家族だけしか使えないような場合は、ダメなの
ですね?』
★回答
そうですね。
その場合には、本来個人が負担すべき費用を法人が負担したことにな
りますので、税金が安くなることはありません。
会社の人なら誰でも利用できる保養所でなければなりません。
☆質問
『具体的に、法人の税金はどのようにして安くなるのですか?』
★回答
法人の保養所とするために別荘を購入すれば、別荘を保有することに
伴う次のようなものを法人の経費とすることができます。
・建物の減価償却費
・土地、建物の固定資産税
・別荘を購入するために借りた借入金の利子
・別荘の管理費
・別荘の水道光熱費
・別荘に必要な備品類など
☆質問
『なるほど、かなり税金が有利になりますね』
★回答
しかし、税金が安くなるばかりではありません。
別荘を法人の保養所とすることにより、新たにかかる税金があります。
☆質問
『それはどのような税金ですか?』
★回答
法人市民税と法人県民税です。
法人で保養所を持つと地方税の納税義務者となり、法人市民税と法
人県民税の均等割りという税金がかかります。
☆質問
『税額はいくらですか?』
★回答』
ほとんどの地方公共団体で、法人市民税が5万円、法人県民税が2
万円の合計年額で7万円の税金です。
☆質問
『なるほど、それくらい仕方ないですね?』
★回答
そうですね。
別荘のショバ代ですね。
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