☆質問
『商品を販売して、その販売代金から振込手数料を差し引かれた金額
が振り込まれます』
『売上代金を集金に来ないのだから、振込手数料を売った側が負担す
るのはあたり前ということでしょうか・・・』
『この場合の会計処理について教えてください』
★回答
売上代金から振込手数料を差し引かれた場合の会計処理には、2つ
の方法があります。
ひとつは、振込手数料の分だけ売値を値引きされたという処理です。
50,000円の商品を販売して、315円の振込手数料を引かれた場合を
見てみましょう。
本来の売上は50,000円ですが、振込手数料の315円が売上値引きと
されますので、最終的な売上高は50,000円-315円=49,685円となり
ます。
☆質問
『なるほど。それで、もうひとつの会計処理方法はどうなりますか?』
★回答
振込手数料を売主の経費とする会計処理です。
先ほどの例で説明すると次のようになります。
売上高は50,000円です。
振込手数料は支払手数料315円として経費で処理します。
売上高は減らず、経費が増えます。
☆質問
『売上を減らす会計処理と売上を減らさずに経費を増やす会計処理が
あるということですね?』
★回答
そうです。
売上が315円減るか、逆に経費が315円増えるかの問題ですから、い
ずれの会計処理においても、最終の利益金額は変わりません。
☆質問
『では、どちらの会計処理でも損得はないということですか?』
★回答
いや、消費税の課税事業者で簡易課税を選択している事業者は損得
があります。
簡易課税は、売上高にみなし仕入率という一定の割合を掛け合わせ
て消費税を計算します。
したがって、会計処理で計上される売上高が少ない方が、消費税納
税額が少なくなります。
☆質問
『そうすると、振込手数料を売上の値引きとして、売上高を減額する会
計処理の方が消費税の節税になるということですか?』
★回答
そういうことです。
節税金額は各取引でごくわずかかもしれませんが、ちりも積もれば山
となるかもしれません。
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