☆質問
『役員報酬はその実質が役員の職務執行の対価(役員報酬)であるか、
利益の分配(役員賞与)であるのかが客観的に判断できないところか
ら、その支給形態で報酬か賞与かを税務では判断しているということ
ですよね?』
★回答
そのとおりですね。
☆質問
『継続して毎年所定の時期に定額を支給するものが役員報酬で、これ
以外の臨時的な報酬が役員賞与ということですね?』
★回答
そうです。
☆質問
『すると、この形式要件(定時定額)に当てはまるように役員に報酬を
支給すれば、役員報酬の額を変更することも可能ということですね?』
★回答
そうですね。
「定時」とは従業員の給料支給日と同じ日に支給すればクリアーできる
ことになるでしょう。
問題は「定額」です。
ここで「定額」と定めているのは、決算月に予想以上の利益が出て、そ
の利益を抑えるために役員の報酬をその月だけ増額するような支給形式
は、「定額」に当てはまらないということです。
☆質問
『では、役員が一生懸命に職務遂行して会社の業績が急回復をしたのに
、不景気だったときに決めた低額の役員報酬にいつまでも甘んじなけれ
ばいけないのですか?』
★回答
そのようなことはありません。
それでは、一生懸命に経営をした役員はたまったものではありません。
不景気であったときに決めた役員報酬が月額20万円で、業績が急回復
して役員報酬を月額80万円に増額しても世間一般の常識では通じる話
です。
☆質問
『だけれど、税務署は急に役員報酬を20万円から80万円に上げると、
役員賞与と言うのではないですか?』
★回答
決算月で急に80万円に上げれば、そう言うでしょう。
では、業績が回復しだしてきた決算月の4ヶ月前から役員報酬を月80
万円に増額してその後80万円の「定額」で毎月支給し続けた場合はど
うでしょうか?
☆質問
『20万円の定額から80万円の定額になっただけだから、形式的には定額で問題な
いのですかね?』
★回答
私は、そう思います。
要は、期の途中で役員報酬を増額しても、それが形式上「定額」にな
れば問題ないと思いますが・・・
「役員報酬を期の途中で変更してはいけない」という会計事務所が多い
んですよね・・・・
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