週刊節税教室

資産の取得と償却資産税

法人税、所得税、その他
第84号 2003/5/19

☆質問

『償却資産税の申告書が来たのですが、これはどのような税金です

か?』

★回答

市町村民税で固定資産税のひとつです。

土地建物、自動車以外の減価償却資産にかかる税金です。

具体的には10万円以上の機械や応接セット、パーティション、エ

アコンなどが対象となります。

しかし、これらの合計が150万円未満である場合には、課税され

ません。

☆質問

『10万円未満の資産を購入した場合、法人税・所得税では消耗品

費として経費とすることができますが、この場合償却資産税の対象

になりませんよね?』

★回答

そうです。

金額が10万円未満ですので償却資産税の対象にはなりません。

☆質問

『では、10万円以上20万円未満の資産を購入した場合はどうな

りますか? たとえば、パソコンを買ったとして。』

★回答

器具備品として計上した場合には償却資産税の対象になります。

しかし、一括償却資産として計上した場合には、金額は10万円以

上でも償却資産税の対象とはなりません。

☆質問

『へ~。処理の仕方で償却資産税がかかる場合と、かからない場合

があるのですね?』

『では、今年の4月1日から始まった、30万円未満の資産を購入

した場合に、全額経費で落とせることとなった制度を使った場合は

どうなるのですか?』

★回答

この制度を使って、25万円で買ったパソコンを消耗品費で落とし

ても、償却資産税の対象となります。

また、15万円のパソコンを同様に消耗品費として計上した場合、

法人税・所得税では経費で認められますが、やはり償却資産税の対

象となります。

☆質問

『10万円以上20万円未満の資産を購入した場合は、一括償却資

産として処理しない限り償却資産税の対象となってしまうことです

ね?』

★回答

そのとおりです。

一括償却資産として処理しないで、工具器具備品または消耗品費と

して処理した場合には、償却資産税の対象になってしまうというこ

とです。

資産を購入した場合には、その処理によって法人税や所得税のみならず、地

方税である償却資産税にも影響してしまうということを覚えておいてください。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為