☆質問
『中古のベンツ(500万円、4年経過)を買いたいと思っているのですが、税金
の扱いはどのようになるのでしょうか?』
★回答
車両は減価償却という手続によって耐用年数(国が定めた使用可能年数)
にわたって各年に分割されて費用とされます。
ベンツの新車ですと耐用年数は6年で初年度に31.9%が費用として計上で
きます。ベンツの新車価格が1,000万円ですと1,000万円×31.9%=319万
円が初年度に減価償却費で計上できます。
☆質問
『では、私が検討中の中古のベンツの減価償却費はどのような計算になり
ますか?』
★回答
中古資産の減価償却計算に適用される耐用年数は次の算式で計算され
ます。
(1)耐用年数の全部を経過したもの
(法定耐用年数)×0.2=中古資産の耐用年数
(2)耐用年数の一部を経過したもの
(法定耐用年数)-(経過年数)×0.8=中古資産の耐用年数
あなたが買おうとしているベンツは4年経過したものですから上記の(2)に
あたり、耐用年数は以下の計算となります。
6年-4年×0.8=2.8年→2年(端数切捨て)
減価償却費は 500万円×68.4%=342万円 となります。
☆質問
『新車のベンツを1,000万円で買って減価償却費が319万円、中古のベンツ
を500万円で買って減価償却費が342万円なんて中古の方が節税効果
がおおきいのですね』
★回答
税金だけを考えるとこのケースでは中古の方が500万円で342万円の経費
算入ですから、そのとおりです。
以上の試算は、減価償却の計算方法を定率法、車両の取得を法人の場
合は事業年度の最初の月、個人の場合は1月に取得した初年度の減価
償却費の試算です。
☆質問
『個人の場合で、6月に中古車両を取得した場合の計算はどのようになりま
すか?』
★回答
500万円×68.4%×7ヶ月÷12ヶ月=199.5万円の減価償却費となります。
つまり、6月~12月までの7ヶ月分の減価償却費の計算となるのです。
節税のために車両を買うのであれば、個人の場合ではなるべく年の初めに、
法人の場合はなるべく事業年度のはじめに買うのが節税対策として有効で
す。
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