【先 生】
「さて、今回は、法人の場合の特定期間についてお話しする訳だけれど、法人の場合の特定期間とは、原則としてどの期間を指すのか覚えているかしら?」
【生徒♂】
「確か、『その事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間』だったよね?」
【生徒♀】
「そして、この法人の場合の特定期間には、特例があるのでしたわね?」
【先 生】
「正解!そのとおりよ。個人事業者と違って法人の場合は、この特定期間にいくつかの特例があるの。」
【生徒♂】
「どんな特例があるの?」
【先 生】
「『前事業年度開始の日以後6月の期間』という事は、『前事業年度がある』という事が前提になるわよね?」
【生徒♀】
「それはそうですわね。」
【先 生】
「でも、法人っていうのは、設立されてから生まれる存在だから、前事業年度が無い場合も想定されるでしょ?」
【生徒♂】
「そうか!設立されて1期目の事業年度であれば、前事業年度は無いって事になるね?それが特定期間の特例になるのかな?」
【先 生】
「それがちょっと違うの。この『前事業年度が無い場合』の納税義務判定となると、特定期間とはまた別個の話になってくるので日を改めて別の機会に説明するわね。」
【生徒♂】
「うん。分かった。じゃあ、前事業年があっても特例に該当するケースがあるのかな?」
【先 生】
「そうなの。その事業年度の前事業年度が『短期事業年度』に該当する場合に特例があるのよ(消法9条の2第4項3号)」
【生徒♀】
「その『短期事業年度』って何ですの?」
【先 生】
「短期事業年度っていうのは、『その事業年度の前事業年度で7月以下であるものその他一定のもの』を指すのよ(消令20条の5)」
【生徒♂】
「なるほど。前事業年度が短期事業年度に該当するかどうか?で特定期間の特例に該当するか否かが分かれるんだね?」
【先 生】
「そうよ。前事業年度が短期事業年度に該当しない場合には、特定期間は、『その事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間』という事になるわ。」
【生徒♀】
「なるほど。これが特定期間の基本的なケースって訳ですわね?」
【先 生】
「そういうこと。ただ、実を言うとね、この基本的なケースにも更に特例があるのよ。」
【生徒♂】
「うへ~そうなの?聞くのが怖いんだけど、それはどんな内容なのかな?」
【生徒♀】
「また特例ですの?・・・もう!特例反対!!」
【先 生】
「どうやらすっかり戦意喪失しているみたいだから、この続きは、次回にしましょう。それまでに元気を取り戻しておいてよ。ではまた次回!ばいばい!」