【生徒♂】
「さあ先生!先週見たドラ○ン○ールの熱きバトルの興奮冷めやらぬ今日この頃だけれど、新設分割子法人の第3期目以降の納税義務を判定する上で重要になってくる『特定要件』とは、いったいぜんたい何者なんだい?」
【生徒♀】
「なるべく分かり易く離乳食のようにトロトロになるまで噛み砕いて説明して欲しいですわね。」
【先 生】
「はいはい、分かったわよ・・・。特定要件っていうのは、下記の要件を指すのよ。」
≪特定要件≫
新設分割子法人の発行済み株式又は出資の総数又は総額の50/100超の数又は金額の株式又は出資が、新設分割親法人及びその新設分割親法人と特殊な関係にある者の所有に属すること。
(消法12条3項かっこ書き、消令24条)
【生徒♂】
「なるほど。つまり、新設分割子法人の発行済み株式等の50%超が、新設分割親法人が所有していること、又は、新設分割親法人とその新設分割親法人と特殊な関係になる者の所有に属していることを指す訳だね。」
【先 生】
「ええ、そのとおりよ。新設分割子法人の発行済み株式等の50%超を所有しているかどうか?の判定をする際には、その新設分割子法人が所有している自己株式等は除いて判定する事になるから注意してね。」
【生徒♀】
「ふ~ん。例えば、新設分割子法人の発行済み株式数が100株、新設分割親法人の所有株数が50株と仮定すると、単純計算だと新設分割親法人の所有割合は50%(=50株÷100株)となり、50%を超えていないから特定要件を満たさないとなりますのよね?」
【先 生】
「ええ、そうよ。」
【生徒♂】
「でも、新設分割子法人が所有している自己株式数(5株)を除いて判定すると、約52.6%(=50株÷95株)となり、50%を超えるから特定要件に該当するって訳だね。」
【先 生】
「正解!そのとおりよ♪ 新設分割子法人が所有している自己株式数を含めるか否かで判定結果が大きく変わる場合があるから注意してね。」
【生徒♂】
「ところで、分割親法人と『特殊な関係にある者』っていうのは、どんな者達を指すんだい?」
【生徒♀】
「特殊な関係・・・お昼のメロドラマみたいな設定で何だかドキドキしますわね♪・・・」
【先 生】
「いったい何を想像してんのよ。この『特殊な関係のある者』の範囲はとても広いのだけれど、例えば、新設分割親法人の個人株主やその個人株主の親族等でその分割親法人の発行済み株式総数の50%超を所有所有している者等が該当するわ。」
【生徒♂】
「その特定要件に該当するかどうか?っていうのは、何時の時点で判定すればいいのかな?」
【先 生】
「特定要件に該当するかどうか?の判定は、納税義務を判定しようとしている課税期間の基準期間の末日時点で判定するのよ。」
【生徒♀】
「ふ~ん。じゃあ新設分割親法人が新設分割子法人の株式を途中で売却して、一旦特定要件を満たさない事となったとしても、その後、再び買い戻して特定要件を満たす事になるケースもあり得ますわね?」
【先 生】
「ええ、十分にあり得るわね。特定要件に該当するか否かは期中の状況は考慮せず、あくまでもその課税期間の基準期間の末日時点で判定するからね。(消基1-5-13)」
【生徒♂】
「この特定要件に該当すると、新設分割子法人の第3期目以降の納税義務判定が特別な判定方法になってくる訳だね。」
【先 生】
「ええ、そのとおりよ。じゃあ次回はその辺のところを説明するからね。ドラ○ン○ールばっかり見てないで今日の復習をしっかりやっておきなさいよ!ではまた次回!ばいばい!」
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