【先 生】
「さて、今回は、下記の条件で吸収合併があった場合の合併法人の合併事業年度の納税義務判定について、具体的に見ていくわね。」
■(合併する日)平成27年1月1日
■合併法人(A社)
〔第10期:合併事業年度〕平成26年4月1日~平成27年3月31日
■被合併法人(B社)
〔合併事業年度〕平成26年7月1日~平成26年12月31日
【生徒♂】
「A社の第10期についての納税義務判定って訳だね。」
【先 生】
「そのとおりよ。この説明をする前に話しておきたい事があるのだけれど、この合併があった場合の納税義務判定は、合併法人のその納税義務の有無を判定しようとしている事業年度が、下記に該当していない事を前提にしているから注意してね。」
(1)課税事業者選択の届出書を提出している事
(2)特定期間の判定により課税事業者に該当している事
【生徒♀】
「なるほど。その納税義務の有無を判定しようとしている事業年度が、もし、課税事業者を選択している事業年度であれば、わざわざ合併があった場合の納税義務を判定するまでもなく、その事業年度は課税事業者に該当しますものね。」
【生徒♂】
「同じようにその納税義務の有無を判定しようとしている事業年度が、特定期間における課税売上高の判定によって課税事業者に該当しているのなら、わざわざ合併があった場合の納税義務判定なんてする必要ないもんね。」
【先 生】
「そのとおりよ。だから、合併があった場合の納税義務判定を行う場合には、先ず上記(1)と(2)に該当しているかどうか?を先に確認する必要があるって訳。」
【生徒♂】
「OK!じゃあ、(1)と(2)に該当していない事を前提にすると、A社の第10期の納税義務はどうやって判定するの?」
【先 生】
「合併法人であるA社の合併事業年度の納税義務を判定する場合には、先ずは、『自社の基準期間の課税売上高』で判定するのよ。」
【生徒♀】
「そっか。合併事業年度といっても先ずは基本どおりに基準期間の課税売上高で判定する訳ですわね。」
【生徒♂】
「A社の第10期の基準期間というと、第8期である平成25年3月期が基準期間に該当するね。じゃあ、この平成25年3月期の課税売上高が、1,000万円を超えていたら、第10期は課税事業者に該当するって事だね?」
【先 生】
「そのとおり!基準期間の課税売上高が1,000万円を超えていたら、合併があった事を考えるまでも無く、その事業年度は課税事業者に該当するわ。」
【生徒♂】
「なるほどね。やっぱり基本が大切って訳だね。うん、うん。」
【生徒♀】
「何よ、偉そうに・・・。その基本がてんで出来ていないのはどこのスカポンタンだったかしら?」
【先 生】
「あなた達はどっちもドングリの背比べよ・・・」
【生徒♂】
「じゃあさ、基準期間の課税売上高が1,000万円以下だったら、A社の合併事業年度である第10期は、免税事業者になるって事なのかな?」
【生徒♀】
「そうですわね。基本に基づけばそうなりますわね・・・」
【先 生】
「ところがどっこい!ここからがいよいよ合併があった場合特有の納税義務判定が必要になるのよ♪」
【生徒♂】
「おお!いよいよですな。」
【生徒♀】
「それはどんな内容ですの?さあ、早く教えてくださいな!」
【先 生】
「それはね・・・といったところで今回はここまで。そろそろ夕飯の買い物行かなきゃならないのよ。今日はスーパーで玉子がお買い得なのよ♪」
【生徒♂】
「ちょっと!ちょっと!玉子よりも授業の方が大事でしょ?先生は教師としての自覚があるのかい?」
【先 生】
「無いわ!」
【生徒♀】
「潔いですわね・・・あっぱれですわ。」
【先 生】
「という訳で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下だった場合の合併事業年度の納税義務判定については、次回ね。では!ばいばい!」
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