週刊なるほど!消費税

損害賠償金と消費税 (5)

第296号 2009/1/28

☆【生徒】

私が所有しているビルの塀に自動車が突っ込んで、塀を壊されてしまいました。

加害者から損害賠償金をもらいましたが、これには消費税はかかりませんよ

ね?

★【先生】

はいそうです。

消費税の対象になりません。

☆【生徒】

また、私が掛けていた損害保険会社からも保険金をもらったのですが、消費

税はかかりますか?

★【先生】

同様にかかりません。

☆【生徒】

損害賠償金としてもらったお金で塀を修理したのですが、これは消費税がか

かる支払いとして経理処理してよいのですか?

★【先生】

問題ありません。そのようにしてください。

☆【生徒】

建物を賃借している場合、中途解約したときに支払うキャンセル料は消費税

の対象となりますか?

★【先生】

キャンセル料は、中途解約に伴う大家さんの逸失利益を補てんするものであ

ることから消費税の対象になりません。

☆【生徒】

航空機の予約をキャンセルした場合のキャンセル料は消費税の対象になりま

すか?

★【先生】

キャンセルに伴う事務手数料としての部分は、役務提供の対価として消費税

の対象になります。

それ以外の違約金の部分は損害賠償金に該当し、消費税の対象にはなりま

せん。

ですので、キャンセルの時期に関係なく一定額を徴収される部分は事務手数

料として消費税の対象となりますが、それ以外の予約日前の一定日ごとに決

められているキャンセル料は損害賠償金として消費税の対象にはなりません。

☆【生徒】

ゴルフ場の予約をキャンセルした場合に予約金を没収されますが、この場合は

どうですか?

★【先生】

予約金の没収には、キャンセルによって生じる逸失利益の補てん部分と、キャ

ンセルに伴う事務手数料の部分が混在しています。

この場合、予約金の没収額を全額損害賠償金として消費税の課税対象外とす

る処理をしても差し支えのない扱いとなっています。

予約金を没収するゴルフ場としては、この処理により消費税がキャンセル料全額

に対してかからないわけですから有利な処理といえます。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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