週刊なるほど!消費税

損害賠償金と消費税 (1)

第292号 2008/12/4

☆【生徒】

消費税における損害賠償金の扱いについて教えてください。

★【先生】

損害賠償金は一般的に消費税の課税対象になりません。

☆【生徒】

なぜ課税対象にならないのですか?

★【先生】

消費税は、事業者が事業として課税資産を譲渡した場合に課税されます。

損害賠償金は、一般的に心身又は資産に損害が発生した場合に受け取

るもので、課税資産を譲渡した対価として受け取るものではありません。

☆【生徒】

なるほど。

確かにそうですね。

★【先生】

ですから、損害賠償金はいわゆる対価性がないものとして、消費税の課税

対象外となるのです。

☆【生徒】

寄付金も、対価性がないということで消費税の課税対象外となりますが、扱

いは同じですね。

★【先生】

そのとおりです。

☆【生徒】

ということは、損害賠償金でも対価性があるものは消費税の課税対象にな

るということですね?

★【先生】

そのとおりです。

名目は損害賠償金でも、実質が課税資産の譲渡の対価である場合は、消

費税の課税対象になるのです。

☆【生徒】

損害賠償金といえども、名目ではなくて、その実質で判断するということで

すね。

★【先生】

そのとおりです。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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