★【先生】
あえて課税事業者になるケースとして、当面売上より経費が多く計上
される場合があります。
☆【生徒】
事業を始めて当面売上があまりたたないケースということですね?
★【先生】
そうです。
研究開発型の事業や長期にわたるコンピュータシステムの構築が必
要な事業ではありうる話です。
☆【生徒】
売上が少額であれば、預かった消費税も少なくなります。
事業を始めて家賃や交通費や通信費を支払ったり、車両や備品など
を購入して代金を支払えば、支払った消費税は普通に発生します。
あえて課税事業者になって消費税の申告をすれば、支払った消費税
が預かった消費税より多ければ、その分の消費税が還付されるという
ことですね?
★【先生】
そのとおりです。
でも、課税事業者を選択すると、およそ2年間にわたって課税事業者
であり続けるわけですから、その間に上がった売上より家賃や交通費
などの消費税のかかる経費の方が大きくないと、消費税は還付されま
せん。
☆【生徒】
2年間の内に売上が急増したら、逆に消費税を納税することになる
かも知れないということですね。
★【先生】
そのとおりです。
よほど売上が上がらないことが確実でないと課税事業者の選択は
できません。
☆【生徒】
ところで、今日の新聞にインターネット関連会社が消費税の不正還
付をしたと出ていました。
いったい何をしたのですか?
★【先生】
システム開発のノウハウを、関係会社から2千億円で仕入れた取引で、
実はノウハウにそれだけの経済的価値がなく、ノウハウの仕入れ自体
が虚偽の取引であったとされたようです。
☆【生徒】
価値のないものに2千億円もの支払いをしたということですね?
★【先生】
そのとおりです。
価値のないものにお金を支払ったということは、お金をタダでくれてや
ったということですから、寄付金と同様に消費税を支払ったことにはなら
ないのです。
☆【生徒】
なるほどよく分かりました。
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