★【先生】
引き続き、法人成りした場合であっても、あえて消費税が免税とならないことによっ
て得をする場合があるという話をしています。6週目です。
☆【生徒】
消費税の「還付」を受けるにあたって、重要なことが3点ある。第1点目は、どの
ような場合に、預った消費税よりも支払った消費税の方が多くなるのか。続いて第2
点目の、還付を受けるための手続きについて話をしているところでしたよね。
★【先生】
免税事業者が、消費税の「還付」を受けるには、「消費税課税事業者選択届出書」を
提出しなければならない。「課税事業者選択届出書」は、適用を受けようとする課税期
間開始の日の前日までに提出をしなければならない。ただし、新設法人の場合には、
第1期に還付を受けたい法人の「課税事業者選択届出書」の提出期限は、第1期の
末日となる、という話をしました。
☆【生徒】
例えば事業年度が4月1日~3月31日の法人が、平成20年4月1日~平成21年
3月31日の課税期間から適用を受けようとすれば、平成20年3月31日までに
「課税事業者選択届出書」を提出。ただし、平成19年4月1日~平成20年3月31
日が第1期である場合には、適用を受けようとする課税期間開始の日の前日がない
から、提出期限は、第1期の末日、つまり上記の例で言うと、平成20年3月31日
である、という話でしたよね。
★【先生】
そうです。平成19年4月1日~平成20年3月31日が第1期である新設法人の
場合には、第1期、つまり平成19年4月1日~平成20年3月31日の課税期間から
「課税事業者選択届出書」の適用を受けたい場合にも、第2期、つまり平成20年4月
1日~平成21年3月31日の課税期間から「課税事業者選択届出書」の適用を受けた
い場合にも、提出期限は同じく、平成20年3月31日となる、ということになりま
す。
今週は「課税事業者選択届出書」の効力が、いつまで続くのか、という話です。
☆【生徒】
「課税事業者選択届出書」を提出した場合には、提出した期の翌期が納税義務者
となっておしまい、ではないのですか?
★【先生】
違います。
これが、免税事業者が「還付」を受ける場合に考えなければならない重要なことの3
点目です。
「課税事業者選択届出書」は、原則として、「消費税課税事業者選択不適用届出書」
を提出しない限り、ずーっと効力が続くのです。
☆【生徒】
えーっ!ずーっとですか!?
★【先生】
ずーっとです。
消費税の納税義務があるかないかは、原則として個人事業者の場合には前々年、
法人の場合には前々事業年度の課税売上高が1,000万円を超えているかどうかで
判定するのですが、「課税事業者選択届出書」を提出した事業者は、原則として「課税
事業者選択不適用届出書」を提出しない限り、前々年または前々事業年度の課税売上
高が000万円を超えていようといなくとも、納税義務が発生するのです。
☆【生徒】
えーっ!そしたらすぐに、「課税事業者選択不適用届出書」を提出しなくてはダメです
ね。
★【先生】
毎期「還付」を受ける事業者以外は、早々に「課税事業者選択不適用届出書」を提出
しなければなりません。毎期「還付」を受ける事業者は、納税義務がなくなってしまう
と「還付」を受けるための申告書を提出することができなくなってしまうことがあるの
で、逆に「課税事業者選択不適用届出書」を提出してはいけません。
☆【生徒】
毎期「還付」を受ける事業者って・・・?
★【先生】
輸出売上のすごく多い事業者ですね。それ以外の事業者については、早々に「課税
事業者選択不適用届出書」を提出したいところです。
☆【生徒】
じゃあ、「課税事業者選択届出書」を出したすぐ後に、「課税事業者選択不適用届出
書」を出せばよいのですね?
★【先生】
そうはいきません。これについてもルールがあります。
説明が長くなってしまうので、今回はここまでにします。また次回、続きから説明します。
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