【先生】
前回まで6回にわたって、サラリーマンが給与所得のほかにワンルーム
マンションの賃貸による不動産所得がある場合に関係する様々なケース
を見てきました。
消費税においてはまず、納税義務があるのかないのか、その判定をしな
ければなりません。
そこで今回からは、消費税の納税義務のうち、平成19年の個人事業者の
場合についてみていきましょう。
まずは納税義務の基本的な事項のおさらいです。
消費税の納税義務があるかどうか、つまり消費税の課税事業者になるか
どうかの判定は、「その課税期間に係る基準期間における課税売上高」が
1,000万円を超えるかどうかで決まります。
【生徒】
「その課税期間に係る基準期間における課税売上高」・・・難しい・・・
【先生】
少し難しい言い方ですね。では、「その課税期間に係る基準期間における
課税売上高」を、ひとつひとつバラバラにして考えてみましょう。
まず、「課税期間」についてです。個人事業者の場合の「課税期間」とは、
いつのことだったか覚えていますか?
【生徒】
個人事業者の場合の「課税期間」とは、その年、つまり平成19年について
言えば、平成19年1月1日から平成19年12月31日までのことですよね。
【先生】
原則はその通りです。
次に個人事業者の「基準期間」とは、いつのことか覚えていますか?
【生徒】
個人事業者の「基準期間」は、その年の前々年ですよね?その年の前々年
ということは、平成19年の2年前ということだから、平成19年の基準
期間は平成17年になると思います。
【先生】
そうですね。
つまり個人事業者の場合、平成19年の消費税の納税義務があるかないかは、
平成17年の「課税売上高」、つまり消費税のかかる売上高が、1,000万円
を超えているかどうかで決まる、ということです。
「課税売上高」が1,000万円を超えているかどうか、ということですから、
平成17年度の非課税売上高が1,000万円を超えていても、課税売上高が
1,000万円以下ならば、平成19年は、消費税の納税義務はない、という
ことになります。
ですから、例えば不動産賃貸事業を営む事業者が、平成17年以前からずっと
その不動産を全部、非課税である住宅用として貸付けている場合には、例え平成
17年度の売上が1,000万円を超えていても、平成19年の消費税については、
納税義務はないということになります。
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。