週刊なるほど!消費税

事例(不動産賃貸:3)

第225号 2007/06/11

【先生】

二人の王子が大活躍です。

【生徒】

 ハ○カチ王子とハ○カミ王子ですね。二人とも爽やかで

好青年ですね。

【先生】

私もあんな頃がありました。懐かしい・・・

【生徒】

・・・・・・

ちなみに私はハナカミ王子です。鼻炎がひどくて。

ティッシュの消費量なら誰にも負けないと思います。

【先生】

・・・・・・

 さて、引き続き個人で不動産賃貸をされている場合のお話です。

前回は、ワンルームマンションの用途と住宅の契約期間により、

ワンルームマンションの貸付が課税取引となるか、非課税取引と

なるかを判断するというお話をしました。

【生徒】

 ワンルームマンションの用途が、住宅の貸付でかつ貸付期間が

1月以上のときには非課税取引で、それ以外、例えば事務所や店舗、

倉庫として使われる場合には課税取引、それから住宅の貸付で

あっても、貸付期間が1月未満は課税取引となる、というお話

でしたよね。

【先生】

 そうです。

今回は、そのワンルームマンションの賃貸をするサラリーマンの

納税義務の判定について考えてみましょう。

【生徒】

 納税義務の判定といえば、「その課税期間の基準期間における

課税売上高が1千万円以下だったら、納税義務が免除される」

とかいうお話でしたよね?

【先生】

 そうです。それでは「基準期間」とはどのようなものだったか

覚えていますか?

【生徒】

 基準期間というのは基準となる期間のことで、個人事業者であれば

前々年、法人であれば前々事業年度ですよね?

【先生】

 その通りです。さすがハナミズ王子。

今回のケースだと、サラリーマンは、ワンルームの賃貸事業については

個人事業者に該当するため、基準期間における課税売上高は前々年、

すなわち2年前の課税取引となる売上高で判断するということになります。

このサラリーマンが2年以上前からこのワンルームの賃貸のみを事業

として行っており、貸付の相手先に一切変更が無く、かつ他に何も事業を

行っていない場合には、このワンルームが住宅の貸付であれば免税、

住宅の貸付以外である場合、例えば事務所や店舗、倉庫として貸付を

している場合には、2年前の一年間で賃貸収入が税抜で1千万円超の

場合は、課税事業者となり、1千万円以下の場合は、免税事業者となります。

【生徒】

・・・ハナカミ王子です。

ワンルームで一年間1千万円て、月833,333円。消費税込みで875,000円・・・

すごい高級ワンルームですね・・・事務所や店舗ならまだしも、倉庫ってありえる

のかな・・・?

【先生】

 そうですね。つまりこのケースの場合には、ワンルームが住宅の貸付であるなら

住宅の貸付は非課税であるから基準期間における課税売上高は0円で免税

事業者、そして住宅の貸付以外であってもほとんどの場合は基準期間における

課税売上高が1千万円以下となるのでその場合も免税となり、ほとんどの

場合において消費税の納税義務は免除されるということになります。

「基準期間における課税売上高」についての詳細はバックナンバーを

参考にしてください。

◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為