週刊なるほど!消費税

帳簿書類等の保存義務(7)

第212号 2007/02/26

【先生】

 今日は2月26日。有名な2・26事件があった日です。

【生徒】

 2・26事件と5・15事件って混同しちゃうんですよね。

【先生】

 2・26事件とは、国家改造を目指す陸軍青年将校達が代々木公園を

占拠し、一晩中踊り明かしたという事件。

 5・15事件とは、2・26事件に触発された海軍将校達が新宿歌舞伎町

を占拠し、一晩中飲み明かしたという事件。

【生徒】

 ・・・・・・ずいぶん小さい事件になりましたね。

 あまりいい加減なことを言うと、各方面から苦情が殺到しますよ。

【先生】

 受験シーズン中ですが、まさかこの通りに書く受験生もいないと思い

ますが。いたらごめんなさい。

 さて、帳簿書類等のお話です。

 今回はまず仕入に係る対価の返還等に関する記録事項について

みていきましょう。

 記録する事項は次の4つです。

・仕入に係る対価の返還等をした者の氏名又は名称

・仕入に係る対価の返還等を受けた年月日

・仕入に係る対価の返還等の内容

・仕入に係る対価の返還等を受けた金額

【生徒】 

 名称、日付、内容、金額の4つですね。今まで見てきたものと一緒

です。

【先生】

 そうですね。但し売上に係る対価の返還等とは違い、簡易課税制度

の適用を受ける課税期間については、これらの事項の記載を省略で

きます。

 次に、課税貨物に係る消費税額の還付に関する記録事項について

も見ておきましょう。

 こちらも記録事項は次の4つです。

・保税地域の所在地を所轄する税関

・還付を受けた年月日

・課税貨物の内容

・還付を受けた消費税額

【生徒】

 仕入の返還等の課税貨物版って感じですね。

【先生】

 仕入の返還等との違いは、課税貨物については税額のみという点

です。仕入の返還は本体価格+消費税額ですが、課税貨物では税関

から消費税額が直接戻ってくることになります。

 簡易課税制度の適用を受けている課税期間については、仕入の

返還等と同様に、記載を省略できます。

【生徒】

 なるほど。

【先生】

 次に貸倒れがあった場合の記録事項です。

 貸倒れに関して記録する事項は次の4つです。

・貸倒れの相手方の氏名又は名称

・貸倒れがあった年月日

・貸倒れにかかる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容

・貸倒れにより領収することができなくなった金額

【生徒】

 これも同じような内容ですね。

【先生】

 貸倒れはさらに、貸倒れの事実が生じたことを証明する書類も保存

することが必要です。

 また貸倒れは売掛債権に係るものですから、簡易課税制度を適用

していたとしても、省略はできません。

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