【先生】
1月も半分が過ぎました。おとそ気分も抜けた頃だと思いますので、
新しいお話に入りましょう。
今回からは「帳簿等の保存義務」についてみていきます。
【生徒】
何年間か保存しとけってやつですね。聞いたことあります。
【先生】
単に保存しておくだけではダメです。きちんと記録・整理しておく必要
があります。
まず「帳簿等」の範囲についてですが、帳簿のほか請求書、納品書、
領収書、計算書、課税貨物の引き取りであれば、輸入許可証や引取
承認書といったものも含まれます。
【生徒】
要は、取引内容を証明できるもの一式ってことですね。
【先生】
そうです。支払済みの請求書だから破って捨ててもいいなんてこと
にはなりません。
最初に帳簿から見ていきましょう。
帳簿というのは説明するまでもありませんが、事務上に必要なことを
記入する帳面で、出納帳や元帳が代表例です。
この帳簿には記録すべき事項が定められています。
事業者はそれらを整然とかつ明瞭に記録しなければならないとされて
います。
【生徒】
確かに、適当に記載してればOKなんてなればえらいことになります
よね。
「おととい裏のアヤシゲお店で謎の小袋買っちゃった。金額は大体
千円くらい」
じゃ、何のことかわかりませんし。
【先生】
それはもう帳簿ではなく、単なる日記ですね。
まず資産の譲渡等に関して。
・資産の譲渡等の相手方の氏名又は名称
・資産の譲渡等を行った年月日
・資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
・資産の譲渡等の対価の額(消費税及び地方消費税を含む)
この4つが記載すべき事項とされています。3番目の資産又は役務の
内容については、簡易課税を選択している場合には事業区分(第1種~
第5種)の記載も含まれます。
【生徒】
日付と相手と内容と金額ですか。常識的な内容ですね。
【先生】
但し、相手方の氏名・名称については、省略してもよい業態があります。
・小売業、飲食業、写真業、旅行業
・バス・タクシー業
・駐車場業(コインパーキング)
・上記に準じるもので、不特定かつ多数の者に資産の譲渡を行うもの
これらは実務的な手間を考え、相手先名を省略できます。
【生徒】
確かにコンビニで売った相手の名前を全部記録しておけなんて不可能
ですね。
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