週刊なるほど!消費税

国等の特例(2)

第197号 2006/11/06

【先生】

 履修漏れがあれほど全国規模とは思いませんでした。

【生徒】

 受験を目の前にしていきなり大変ですよね。でも軽減措置っていう

のは、マジメに勉強した人にものすごく不公平な気がする。

【先生】

 1年からの総勉強時間にしたらかなりの差があるはずですから、

きちんと履修した人の方が受験で不利になるというのも変な話です。

【生徒】

 自分が高校生の頃は全部勉強した上で、選択でしたからね。でも

日本史にしろ世界史にしろ高校で習うくらいの知識を全く習わずに

大学生になってる人がいるってことですよね。いいのかな・・・

【先生】

 だから「小野妹子は女の人だ」と真顔で答える大学生もいるわけ

ですね。

【生徒】

 CMの冗談が冗談として通じないのか・・・

【先生】

 では今回のお話に入りましょう。引き続き国等の特例です。

 今回は資産の譲渡等の時期の特例です。

【生徒】

 譲渡の時期ですか?

【先生】

 そうです。

 原則は前にもお話していますが、発生主義(実現主義)です。

 「資産を譲渡した」「役務の提供をした」、逆に「資産を譲り受けた」

「役務の提供を受けた」といった事実が発生したときに、収益・費用

を認識するというのが会計上の原則で、消費税においても同様の

取り扱いとなります。

【生徒】

 特例って言うからには原則とは違うってことですよね。

【先生】

 そうです。実は譲渡等の時期の特例は、以前にもお話したことが

あります。

 そのときは「工事進行基準」や「長期割賦販売」、そして「現金主義」

でしたが、国等の特例はこのうち「現金主義」に近い形といってよい

でしょう。

 国や地方公共団体の歳入・歳出の会計年度所属区分は法令に

より決められています。

 この法令の規定により、歳入については「その対価を収納すべき

会計年度の末日」に、歳出については「その費用の支払をすべき会

計年度の末日」に全て行ったものとすることができます。

【生徒】

 へー。でも現金主義とは少し違いますね。

【先生】

 そうですね。現金主義ではあくまで現金を受け取ったときに収入を、

支払ったときに支出を認識します。

 国等では「収納すべき」あるいは「支払うべき」とされていますから、

「収納した」「支払った」という事実を基準にしているわけではありません。

 そのため裁量の余地があるともいえますが。

◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為