週刊なるほど!消費税

納税額の計算(44)
簡易課税

第170号 2006/04/24

【先生】

 前回より簡易課税の具体的な計算のお話に入りました。

【生徒】

 1つの種類の売上だけなら簡単だけど、複数種類があると面倒って

ことでしたよね。

【先生】

 そうです。今回からは複数事業を営んでいる場合の計算を見ていき

ます。

 まずは原則的な計算方法から。

 分かりやすいように数値例を出してみましょう。

・第1種売上 15,000,000円(税込)

・第2種売上  8,000,000円(税込)

・第4種売上  2,000,000円(税込)

  合計    25,000,000円(税込)

それでは最初に預った消費税を計算してみましょう。

【生徒】

 25,000,000円×100/105=23,809,523円→23,809,000(千円未満切捨)

 23,809,000×4%=952,360円

【先生】

 そうですね。ここで1事業を営んでいるだけなら、率をかけて支払った

消費税を計算して・・・と進んでいくのですが、複数事業の場合にはまず

この率(みなし仕入率)を計算してあげる必要があります。

【生徒】

 率を計算するんですか?

【先生】

 そうです。とはいってもそれほど複雑な式ではありません。

 最初に、それぞれの事業にかかる消費税額を求めます。この場合の

求め方は千円未満切捨て等は行わず、単純に4/105をかけます。

第1種 15,000,000×4/105=571,428

第2種  8,000,000×4/105=304,761

第4種  2,000,000×4/105=76,190

   合計 952,379円

端数切捨てをしていませんので、この合計額と上記で計算した消費税額

とは若干異なってきます。

 次に、算出した各事業にかかる消費税額に、各事業のみなし仕入率を

かけます。

第1種 571,428×90%=514,285

第2種 304,761×80%=243,808

第4種  76,190×60%=45,714

   合計 803,807円

【生徒】

 なんとなくわかってきたぞ。出した数字を割って率にするのかな?

【先生】

 その通りです。

 803,807÷952,379=0.84399・・ →約84.4%がみなし仕入率となります。

 みなし仕入率が計算できれば、後は前回やったのと同じ計算手順です。

【生徒】

 952,360×84.399・・%=803,790

 952,360-803,790=148,570 →148,500(百円未満切捨)

 148,500×25%=37,125 →37,100(百円未満切捨)

 148,500+37,100=185,600

 という感じかな?

【先生】

 そうです。これは原則的な計算方法ですので、しっかりおぼえておく

必要があります

◆発行 アトラス総合事務所

無断転用・転載を禁止します。

本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。

  • ○著作物を、私的利用の範囲を超えて権利者の許可なく複製する行為
  • ○著作物を、インターネット上で公衆が取得可能な状態にする行為
  • ○著作物の全部もしくは一部を権利者の許可なく改変する行為