【先生】
前回より簡易課税の具体的な計算のお話に入りました。
【生徒】
1つの種類の売上だけなら簡単だけど、複数種類があると面倒って
ことでしたよね。
【先生】
そうです。今回からは複数事業を営んでいる場合の計算を見ていき
ます。
まずは原則的な計算方法から。
分かりやすいように数値例を出してみましょう。
・第1種売上 15,000,000円(税込)
・第2種売上 8,000,000円(税込)
・第4種売上 2,000,000円(税込)
合計 25,000,000円(税込)
それでは最初に預った消費税を計算してみましょう。
【生徒】
25,000,000円×100/105=23,809,523円→23,809,000(千円未満切捨)
23,809,000×4%=952,360円
【先生】
そうですね。ここで1事業を営んでいるだけなら、率をかけて支払った
消費税を計算して・・・と進んでいくのですが、複数事業の場合にはまず
この率(みなし仕入率)を計算してあげる必要があります。
【生徒】
率を計算するんですか?
【先生】
そうです。とはいってもそれほど複雑な式ではありません。
最初に、それぞれの事業にかかる消費税額を求めます。この場合の
求め方は千円未満切捨て等は行わず、単純に4/105をかけます。
第1種 15,000,000×4/105=571,428
第2種 8,000,000×4/105=304,761
第4種 2,000,000×4/105=76,190
合計 952,379円
端数切捨てをしていませんので、この合計額と上記で計算した消費税額
とは若干異なってきます。
次に、算出した各事業にかかる消費税額に、各事業のみなし仕入率を
かけます。
第1種 571,428×90%=514,285
第2種 304,761×80%=243,808
第4種 76,190×60%=45,714
合計 803,807円
【生徒】
なんとなくわかってきたぞ。出した数字を割って率にするのかな?
【先生】
その通りです。
803,807÷952,379=0.84399・・ →約84.4%がみなし仕入率となります。
みなし仕入率が計算できれば、後は前回やったのと同じ計算手順です。
【生徒】
952,360×84.399・・%=803,790
952,360-803,790=148,570 →148,500(百円未満切捨)
148,500×25%=37,125 →37,100(百円未満切捨)
148,500+37,100=185,600
という感じかな?
【先生】
そうです。これは原則的な計算方法ですので、しっかりおぼえておく
必要があります
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