週刊なるほど!消費税

納税額の計算(31)
簡易課税

第157号 2006/01/23

【先生】

 昨年の初め頃もライブドアで大騒ぎしていましたが、今年は輪をかけて

大騒動です。問題の性質は根本的に異なりますが・・・

【生徒】

 社長のブログ見てみましたけど、「ホリエ信者」の多さに驚きました。まぁ

同じ人が何度も書き込みしているのかもしれないけど。

【先生】

 何か旧体制の打破とか先進的なイメージが強い人ですけど、報道等を

見てみると、画期的なビジネスモデルを展開しているわけでもなく、新しい

発想を開発したというわけでもなく、単に法律の穴をついてお金を稼いでる

ように感じられます。

【生徒】

 ライブドア本体の利益があまりなくて、買収先との連結でもってるんです

もんね。

【先生】

 IT企業というよりは、投資事業会社のようなものでしょうか。

 さて、引続き簡易課税制度についてのお話です。

 簡易課税制度を適用できる事業者であっても、実際に適用するためには

基準期間の課税売上高が5,000万円以下というだけではダメです。

 簡易課税の適用を受けるには『簡易課税制度選択届出書』を税務署に

提出する必要があります。

【生徒】

 届出ですか。いつまで出せばいいんですか?

【先生】

 原則として、簡易課税の適用を受けようとする課税期間開始の日の前日

までです。

【生徒】

 たとえば3月決算の会社が来期から簡易課税の適用を受けたい場合には、

3/31までに届出を提出しないといけないってことですか?

【先生】

 そうです。但し、設立1期目の法人が簡易課税を選択したいという場合など

では、その課税期間の末日までに届出を提出すればよいことになっています。

【生徒】

 当期中の簡易課税の選択を当期末までに行えばOKなのか。

【先生】

 とはいえこれは事業を開始した日の属する課税期間についてだけの特例

ですので、2期目から選択する場合には原則通り課税期間開始の日の前日

です。

 ですから1期目と2期目の提出期限は同じ日ということになります。

【生徒】

 やめる場合はどうなんですか?

【先生】

 やめる場合も、やめようとする課税期間開始の日の前日までが提出期限

です。

 この場合は『簡易課税制度選択不適用届出書』を提出します。

 ただし、一度簡易課税を選択すると、最低2年は簡易課税で計算しなくては

なりません。

 また基準期間の課税売上高が5,000万円を超えた期は無条件で原則課税

により計算する必要があります。

【生徒】

 届出を出していても5,000万超えたら適用がなくなるんですね。

【先生】

 簡易課税による計算はできなくなりますが、届出の効力は『簡易課税制度

選択不適用届出書』が提出されない限り続きます。

 ですから数年後にまた基準期間の課税売上高が5,000万円以下となれば、

その期は簡易課税により計算することになります。

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