週刊なるほど!消費税

納税額の計算(20)
原則課税

第145号 2005/10/24

【先生】

 前回は著しく変動した場合の判定基準についてお話しました。

【生徒】

 変動幅が5%以上で、変動率が50%以上ですね。

【先生】

 そうです。通算課税売上割合と課税仕入れ等をした課税期間の課税売上割合

を比較して変動幅5%、変動率50%が基準となります。

 さて今回は、実際に著しい変動と判定された場合の調整方法についてお話し

していきましょう。

 まずは調整対象基準税額を求めます。

【生徒】

 調整対象基準税額?

【先生】

 文字通り調整の対象となる基準の税額で、つまりは調整対象固定資産を購入

した際に支払った消費税のことです。

 例えば105万円(税込)の備品であれば、105万円×4/105=4万円が調整

対象基準税額となります。

【生徒】

 この4万円を調整するんですか?

【先生】

 いえ、ここからさらに計算が必要です。

 調整対象基準税額を求めたら、今度は仕入等をした課税期間に控除した税額

を求めます。具体的には

 調整対象基準税額×仕入等の課税期間の課税売上割合

 がその金額となります。

 もし仕入等の課税期間の課税売上割合が95%以上であれば全額が控除対象と

なっていますので、仕入等の課税期間の課税売上割合を100%として計算します。

【生徒】

 そうか。98%とか96%とかをかけちゃダメなんですね。

【先生】

 次に調整後の控除税額となるべき金額を求めます。具体的には

 調整対象基準税額×通算課税売上割合

 がその金額となります。

 そしてこの計算した2つの金額の差額が、調整すべき税額となるのです。

【生徒】

 これは第3年度の課税期間で調整するってことですね?

【先生】

 そうです。もし課税売上割合が著しく増加した場合であれば控除税額に加算し、

著しく減少した場合であれば減額します。

【生徒】

 減額するとき、控除税額以上に減額する金額がある場合はどうなるんですか?

【先生】

 その場合は、その減額しきれない金額を当該課税期間の課税標準額に対する

消費税額、つまり預った消費税に加算します。

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