【先生】
いつの間にか秋めいてきて、だいぶ涼しくなってきました。
【生徒】
来週はもう10月ですもんね。
【先生】
残りはあと3ヶ月。毎年のように言ってますが、早いものです。
【生徒】
気分はまだ今年も始まったばかりって感じなんだけどなぁ。。
【先生】
さて、前回から控除計算の際の調整項目についてお話しています。
今回は仕入にかかる対価の返還等を受けた場合について見ていきましょう。
【生徒】
仕入にかかる対価の返還等ってなんですか?
【先生】
分かりやすいのは返品や値引で代金の返金を受けた場合ですね。
そのほかにも販売促進目的で取引先から受け取った販売奨励金や、仕入割引
などがあります。
特に仕入割引は、簿記などでは仕入取引ではなく代金決済取引の一環として
捉えられていますが、消費税では値引・返品と同様に仕入代金の返還取引と
して取り扱われています。
【生徒】
販売奨励金も返金扱いなんですね。
【先生】
よく行われているものですが、商品等の仕入先が自社商品の販売促進のため、
いくらの数量あるいはいくらの金額を売ればいくら返金しますよ、という契約を販売
店と結びます。実質的には商品を値下げしていることと同じですので、仕入にかかる
返還等に含まれます。
【生徒】
なるほど。
【先生】
この仕入にかかる対価の返還等を受けた場合には、その返還等を受けた期の仕入
控除税額から控除することになります。
その返還等が個別対応方式の共通に要する部分にかかるもの、あるいは一括比例
配分方式を採用している場合には、課税売上割合を乗じる前に控除する必要があり
ます。
【生徒】
状況的に微妙ですけど、例えば105万円仕入があった期に210万円の返却を受け
たとすると、5万円の税額から控除するのは10万円ってことになって、5万円マイナス
になりますけど、そういう場合はどうなるんですか?
【先生】
その場合は、まず仕入控除税額は0円となり、マイナスの5万円はその期の預った
消費税に加算することになります。
【生徒】
来期に持ち越したりするんじゃないんだ。
【先生】
また対価の返還等ですが、いつ、何に対する返還かを考える必要があります。
例えば免税事業者であった時代に仕入れた商品に対する返金を課税事業者である
期に受け取ったとしても、原則として対価の返還等の計算からは除きます。
(例外として後日お話しする一定の棚卸資産があります)
さらに、元々が不課税や非課税など消費税のかからない取引である場合には、いくら
返金を受けたとしてもそもそも計算の対象とはなりません。
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