週刊なるほど!消費税

譲渡等・仕入等の時期(8)
長期割賦販売等

第114号 2005/03/07

【先生】

 ついにコクド前会長が逮捕されました。諸行無常といいますか盛者必衰

といいますか・・・

【生徒】

 驕れる人も久しからず、唯春の夜の夢の如しですね。

【先生】

 猛き者もついには滅びぬ。偏に風の前の塵に同じですか・・・

 まだ西武グループが滅んだわけではありませんが、再生の道は険しそう

ですね。

【生徒】

 さかんにテレビとかでやってますけど、社長にメモ渡すときは跪かなきゃ

いけないとか、なんかすごいところですね。会社というよりは、ご主人サマ

と召使い達みたいな雰囲気・・・

【先生】

 会社の体質もそうですが、名義株や相続に関して国税当局は今まで何を

していたのかということも問われそうですね。

 さて、引続き長期割賦販売等について見ていきましょう。

 前回はこの適用を数値例でお話しました。今回は適用した以後の期につ

いてです。

【生徒】

 以後の期?

【先生】

 そうです。

 例えば、長期割賦販売等の特例を適用してきたけれど、途中でこの適用

をやめようとした場合です。

【生徒】

 んー・・・途中でやめちゃダメ。

【先生】

 そんなことはありません。もしやめようとする場合、そのやめようとする課税

期間において、まだ未計上の長期割賦販売等の金額を全額売上計上するこ

とになります。

【生徒】

 そしたら、やめたものをまた復活したいっていうときは?

【先生】

 既に全額売上計上済みですので、それはできません。

 今度は自分の意思でやめようというのではなく、この延払基準の方法を採用

しているにも関わらず、その方法で経理していなかった場合です。

 これも上記と同様に、まだ未計上の金額をその採用しなかった課税期間にお

いて全額売上計上することになります。

【生徒】

 経理しなかったってことは、その方法の適用をやめたことと同義とみなされる

ってことですね。

【先生】

 では、次期以降納税義務の免除を受けることとなった場合はどうでしょうか。

【生徒】

 納税義務の免除ですか・・・でも計上は分割でやらないといけないんですよね。

【先生】

 経理上は延払基準の採用をやめない限り、同様に計上していくこととなります

が、消費税の納税額の計算の際に調整が必要となります。

 そもそも課税事業者である期間中の売上は消費税がかかります。延払基準

を採用していても、商品の引渡しは課税事業者である期間に行われていますの

で課税取引です。

 そのため次期以降免税事業者となる場合には、経理上は売上として計上して

いなくとも、消費税の計算上は免税事業者となる期間の直前期間において、未

計上となっている金額の売上があったものとして計算することになります。

 逆に、免税事業者時代に延払基準を採用し、新たに課税事業者となった場合

も同様です。

 消費税の計算上は免税事業者であった期間に売上があったものとして取り扱う

ことになります。

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