週刊なるほど!消費税

納税義務(17)

第98号 2004/11/01

【先生】

 地震で被災された方々には非常にご苦労のことと思います。1日も早い

復興を心からお祈りいたします。

【生徒】

 税金は、誰も走らない道路を作るためじゃなく、こういうときに助けてもらう

ために払っているんだと、声を大にして言いたい。

【先生】

 この災難につけこんだ詐欺も起きているようです。同じ人間として恥ずかしい

限りです。

【生徒】

 駅前での募金も、大半は怪しいらしいですからね。弱っている時を狙ったり、

人の善意につけこんだり、許せない連中が多すぎます。

【先生】

 きちんと義援金を送りたい方はこちらをご覧下さい。

http://saigai.pref.niigata.jp/content/jishin/suitou/gienkin.html

【生徒】

 ちょうど3週間前に越後湯沢に行っていたので、もしかしたらと考えると、

とても他人事ではないです・・・

【先生】

 さて、前回から課税事業者の選択についてお話しています。

 課税事業者を選択するのは、わざわざ消費税を納めるというよりも、還付

を受けるために行われます。

【生徒】

 そりゃそうですよね。納めなくてもいいものを進んで納めようって、普通は

しないですもん。

【先生】

 今回はまず、この課税事業者を選択するための要件を見ていきましょう。

 課税事業者を選択するためには、課税事業者となろうとする課税期間の

開始日の前日までに「消費税課税事業者選択届出書」を所轄税務署に提出

する必要があります。

【生徒】

 個人事業開始年とか会社設立年度の場合はどうなるんですか?事業開始

日とか設立日の前日までですか?

【先生】

 事業開始年又は設立年度は、その年度終了日までとなります。

【生徒】

 年度の途中に急に大きな支出が決まったときなんか、届出が間に合わない

ですね。よほど気をつけていないと・・・

 翌年までずらしたりしないといけないのかな・・・

【先生】

 そういう場合のために、課税期間短縮という制度も設けられています。

 この制度と課税事業者選択を合わせれば、損をすることもなくなります。

【生徒】

 具体的にはどうするんですか?

【先生】

 例えば3月決算の法人で、10月に大きな投資をすることになったとします。

 本来なら3月末日までに届出を出す必要がありますが、ここで短縮制度を

使います。

 課税期間の短縮は事業年度を3ヶ月ごとあるいは1ヶ月ごとの課税期間に

短縮できる制度です。

 3月決算で3ヶ月ごとに短縮するなら、1事業年度が4月~6月、7月~9月、

10月~12月、1月~3月の4つの課税期間に分かれることになります。

 課税事業者の届出は「課税期間の開始日の前日」まで届出ますので、この

場合でいえば、9月末日までに課税期間短縮の届出と課税事業者選択届出

を提出すれば、9月までは免税事業者でも10月からは課税事業者となるこ

とができるのです。

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