週刊なるほど!消費税

納税義務(9)

第90号 2004/09/06

【先生】

 台風だけではなく火山まで噴火してしまいました。

【生徒】

 夏は異常に暑いし、オリンピックでは予想以上にメダル取るし・・・今年は

イレギュラーなことが起こる年ですね。

【先生】

 まだ4ヶ月残っています。何が起こることやら・・・

【生徒】

 小遣いが1万円UPとか、宝くじが当たるとか、見知らぬ老人を助けたら

お礼に100万円とか、そういうイレギュラーに違いない。

【先生】

 妄想までイレギュラーしてますね。

 さて、前回は新設法人についてお話しました。基準期間が無い事業年度

でも、その事業年度開始日における資本又は出資金額が1千万円以上で

あれば、納税義務は免除されません。

【生徒】

 免除の規定を受けたければ1千万円未満で設立しないといけないんで

すね。

【先生】

 ところが資本金300万円の有限会社を作っても、納税義務が免除され

ない場合もあります。これが今回からお話しする「合併・分割」の場合の

特例です。

【生徒】

 合併と分割?

【先生】

 そうです。資本金300万円の有限会社を通常通り作れば、基準期間の

ない第1期第2期は免税事業者となります。

 ですが、「合併」や「分割」といった特殊な設立の方法の場合には別の

規定が設けられています。

【生徒】

 合併は最近よく聞きますね。近○とオ○ックスがどうとか・・・

【先生】

 イメージとしては同じです。複数の法人が一緒なって一つの法人になる

のが合併です。

 分割は逆に一つの法人からある部分を切り離して別法人を作ろうとする

ものです。

 まずは合併からお話して行きましょう。

【生徒】

 僕自身は近○とオ○ックスが合併しようがどうしようが興味ないです。

 それよりハンマー投げのア○シュが他人の○をどこに隠していたのか

のほうが気になって気になって・・・

【先生】

 それこそ想像に任せます。思う存分妄想して下さい。

 さて合併ですが、まず例として次の場合を考えます。

 3月決算の2つの法人A社B社が、4月1日をもって合併し資本金600

万円の新しい法人AB社を設立しました。

【生徒】

 センスの無いネーミングですね。東京○菱U○J並みですよ。

【先生】

 単なる例題ですから気にしないように。

 まず新しい法人の設立ですので、通常通り見て行きましょう。

 設立初年度は基準期間無しですね。設立日における資本金の金額は

600万円で1千万円未満ですから、

【生徒】

 免税事業者です。

【先生】

 そうですね。普通はここで終わるのですが、合併の場合はさらに判断

基準が追加されます。

『合併法人の合併があった日の属する事業年度の納税義務は、いずれ

かの被合併法人の、その合併があった日の属する事業年度の基準期間

における課税売上高が1千万円を超える場合には、免除されない』

【生徒】

 なんか複雑そうですね・・・

【先生】

 要は合併が無く通常通り続いていたとして、合併日の属する事業年度

にかかるそれぞれの法人の基準期間の課税売上高を見ましょう、という

ことですが、詳しくは次回お話しましょう。

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