週刊なるほど!消費税

免税取引(7)
輸出物品販売場

第79号 2004/06/14

【先生】

 さて今回は、前回の最後に少しお話しました「輸出物品販売場」に

ついて見ていきましょう。

【生徒】

 そのまんまのネーミングですね。輸出する物品を販売する所って。

【先生】

 条文に奇をてらってもしょうがないですからね。分かりやすいのが

一番です。

 この趣旨としては、海外からの旅行者が日本で買い物をして、その

まま自国に帰国した場合、消費は日本ではなく海外でされることにな

るので、消費税は免除してあげましょうということです。

【生徒】

 そしたら旅行者がお土産に買っていく商品ならなんでも免税になる

ってことですか?

【先生】

 そうは問屋さんも卸してくれません。免税取引になるためには一定の

要件が必要です。

 まずはその物品が輸出物品販売場における販売であること。この

輸出物品販売場は所轄税務署長の許可を受けなければなりません。

【生徒】

 許認可制なんですね。そしたら普通の店で買っても、それが例え

お土産として自国に持って帰るものだとしても、免税にはならないと

いうことですか?

【先生】

 そうです。それが一般の店と免税店との一番の違いですからね。

 次にその販売が非居住者に対するものであること。まぁ当然といえば

当然です。日本人が購入しても免税とはなりません。

【生徒】

 そうかぁ・・・変装して買いに行こうかな。

【先生】

 そういうアコギな人のために、購入時にはちゃんと旅券等を提示しな

ければいけないことになっています。

 3つ目の要件は、その販売する物品が通常生活のために使用する

物品であること。但し食品・飲料、たばこ、薬品・化粧品、フィルム、電池

他消耗品は除きます。

 これらはその場で使用すると思われるものなので、除かれるんですね。

【生徒】

 通常生活のためっていうのは、生活必需品じゃないとダメってこと

ですか?

【先生】

 ここで言う通常生活のためというのは、事業用に購入するものを

排除するためですので、デジカメやウォークマンのようなものでも、

事業用に購入するのでなければ問題ありません。

 4つ目はちょっと変わっていて、対価の額の合計額が1万円を超え

ていること、という要件です。

 恐らくは小額であれば消費税負担も大きくないからということで

しょうか。購入側にとっては微妙なところです。

【生徒】

 1万円でも500円ですよね。結構イタイ出費だけどなぁ・・・

【先生】

 最後の要件は購入手続きです。上でも話したように旅券を提示

すること。そして購入記録を作成したり誓約書を書かせたり記録票

を旅券に貼って割印したり、と悪用されないように証拠を残す手続き

を取らなければいけません。

【生徒】

 そこまでしてやっと免税になるんですね。

【先生】

 実はまだ完全ではありません。それは次回お話しましょう。

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