【先生】
長く続いてきた非課税取引のお話も、ついに最後の項目となりました。
【生徒】
半年以上やってますよね。ホント長かった・・・
【先生】
ここ数回はあまり一般的ではない項目でしたが、今回は実務でも頻繁に
話題となる「住宅の貸付」についてのお話です。
【生徒】
ちょうど入学・入社シーズン前で物件探してる人も多い時期。1アウト3塁
から松井のセンター返しって感じですね。
【先生】
はいはい。タイムリ-です。
この住宅の貸付について、「住宅(人の居住の用に供する家屋又は家屋
のうち人の居住の用に供する部分をいう)の貸付で、その貸付に係る契約
において人の居住の用に供することが明らかにされているもの」について
は非課税取引となります。
つまり居住用の家・部屋の貸付で、契約書に「居住用」と明記されている
ものが非課税取引となるということです。
【生徒】
居住用でないってどんな場合かな?
【先生】
事務所や店舗ですね。
例えば事務所用に借りた部屋を居住用に使っているような場合では、
用途は居住用でも契約書では事務所用となっているため、非課税取引
とはなりません。
【生徒】
用途を変える場合には契約書も変えないといけないんですね。
【先生】
そうです。
但し用途変更について大家さんにきちんとOKをもらっていて、手間等の
関係で契約書自体を変更していないだけのような場合には、実体で判断
することになるでしょう。
【生徒】
手間って・・・単に面倒なだけですよね。
【先生】
大家さんが入院していたり、遠方にいたり、といったこともあるんです。
・・・無論面倒くさがりの大家さんもいますが・・・
この居住用住宅の貸付ですが、除外規定が設けられています。
・貸付に係る期間が1ヶ月に満たない場合
・旅館業法第2条第1項に規定する旅館業に係る施設の貸付に該当する
場合
この2つは非課税取引から除かれ課税取引となります。
【生徒】
1ヶ月未満ってことは1ヶ月借りれば非課税ですよね?
【先生】
そうです。例えば契約で「4/1から4/30までの1ヶ月間」とあれば条件を
満たしますが、「4/1から4/29までの29日間」となっていれば除外規定の
範囲に入ってくることになります。
【生徒】
じゃあ1週間の契約で更新更新していけば、ずっと課税取引のままって
ことかな?
【先生】
具体的な内容にもよりますが、実質的に1ヶ月以上借りていることと同じ
と判断されるでしょうね。土地の貸付の際お話したのと同様です。
ですが1ヶ月以上期間があったとしても、旅館業法に規定する旅館業
に該当する場合には課税取引となります。
これについては次回お話しましょう。
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