週刊なるほど!消費税

非課税取引(18)
郵便切手類等及び物品切手等の譲渡

第54号 2003/12/08

【先生】

 前回は物品切手等の課税取引とするタイミングについてお話

しました。

【生徒】

 商品券とかを、買ったときに課税取引扱いにしてしまうのは

気をつけないといけないんですよね。

【先生】

 そうです。きちんと2つの前提条件を満たしているかどうかに

ついて判断しなければいけません。

 さて今回は、商品券を例にとって発行から回収までの流れを

見ていきたいと思います。

【生徒】

 流れ?

【先生】

 はい。物品切手は自然に湧いて出て知らぬ間に消えていく

ものではありませんので、それぞれの段階での課税・非課税・

不課税の別を見ていく必要があります。

【生徒】

 どこからともなく現れて知らぬ間に去っていく・・・

 そんなスナ○キンのような生活にあこがれます。

【先生】

 ではその流れを簡単に整理してみましょう。

1.商品券の発行 発行者から卸売店へ

2.商品券の卸売 卸売店から小売店へ

3.商品券の販売 小売店から消費者へ

4.商品券の引換 消費者から販売店へ

5.商品券の回収 販売店から発行者へ

 卸売店・小売店はそれぞれ商品券の卸売店、商品券の小売店

という意味です。

【生徒】

 へぇ、ざっと見ても5段階あるんですね。

【先生】

 まずは商品券の発行時。これは単なる証書の発行行為で、

資産の譲渡とは基本的に性格が異なるものです。

 ですので発行者が卸売店から受け取る金銭等は不課税取引

となります。

【生徒】

 発行は課税の対象にも該当しないっていうことですね。

【先生】

 次に商品券の卸売と販売ですが、卸売店から小売店への

販売・小売店から消費者への販売と、どちらも物品切手等の

譲渡に該当しますので、非課税取引となります。

 但し、小売店では、自ら使用するために商品券を購入するの

ではなく、商品券そのものを販売するために、つまり棚卸資産

として購入しますので、前回お話した購入時に課税取引とする

取扱を受ける対象には根本的になりえないというところを覚えて

おきましょう。

【生徒】

 小売店は商品券を買ったときも売ったときも、消費税はかから

ないんですね。

【先生】

 4番目の引換時ですが、こちらは問題ないでしょう。給付を

受けたときですので課税の対象となります。

 給付を受けたものが非課税取引の対象となっていれば、当然

課税取引とはなりません。

【生徒】

 商品券をあげたときは不課税取引ですよね。

【先生】

 確かに贈与すれば不課税取引ですが、貰い受けたほうは後々

その商品券を何らかの商品と引き換えますよね。ここで言ってい

るのはその引き換えた時のことです。

 最後に商品券の回収時について。この場合商品券は既に給付

済みのものであり、代金決済のための証拠資料に過ぎませんので、

単なる資料の受け渡しということで課税関係は生じません。

【生徒】 

 なるほど。使い終わった切符の回収みたいなものか。

【先生】

 また、販売店側では商品券の券面額と実際の回収額との差額は

手数料の支払いとして課税取引となります。

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