【先生】
今年も残すところあと1月。来年のことを言っても鬼が笑わない
時期になりました。
【生徒】
師走ですよ。ちゃんと走り回ってますか?
【先生】
師=先生というのは安易ですね。
「師」は元々「士」から転じたもので、江戸時代に下級武士達
が正月の餅代を稼ぐため、この時期あちこち走り回っていたこ
とから来ています。
【生徒】
へぇ、そうなんですか?知らなかった。
【先生】
嘘です。
【生徒】
・・・・・・・・・・・・・
【先生】
師走については、師が僧を表すからとか、年果つる月から
きているとか諸説あるようですので、自分で調べてみて下さい。
さて今回のお話ですが、前回は物品切手等が譲渡場所を
問わずに非課税取引となるとお話しました。
【生徒】
郵便切手類等と違うところですよね。
【先生】
そうです。
では購入した図書券を使って本を買ってきました。この取引
は課税取引でしょうか、それとも非課税取引でしょうか?
【生徒】
郵便切手も使ったときに課税取引になるんだから、物品切手
も使ったときに課税取引になるんじゃないかな?
【先生】
そうですね。物品切手等も実際に物やサービスと交換した時
に課税取引となります。
但し、全てが課税になるというわけでもありません。
例えば商品券で身体障害者用物品を購入したような場合、
後日お話しますが身体障害者用物品の譲渡は非課税取引と
なりますので、物と交換した時でも課税とはならないのです。
これは物品切手等に限らず郵便切手類等でも同様です。
【生徒】
購入時と使った時で、それぞれ別々に判断しないといけない
んですね。
でも、郵便切手類でも物品切手等でも購入時に課税取引と
してOKな規定がありましたよね。
【先生】
はい。一定の条件の下に購入時に課税取引としてよい規定
は以前お話しました。
実際、実務上でこの規定を適用するときにはちょっと微妙な
ところがあります。
例えば郵便切手類は、大抵は自分で使うものとして購入して
くる場合がほとんどです。
【生徒】
郵便切手を違う用途に使うってあまりないですもんね。
【先生】
ですので、経常的に購入している額なら郵便切手類にこの
規定を使うことは問題ないでしょう。実際ほとんどの会社や
事業主は購入時に課税取引としているのではないでしょうか。
問題は物品切手等です。商品券を買いだめしておいて、何か
を購入する際その商品券を使う、なんてことをしているところは
どの位あるでしょうか。
【生徒】
確かに商品券で買い物なんてあんまりしないかも・・・
【先生】
それよりも、商品券を購入して贈答品にするほうが多いかも
しれません。贈答用に使用すれば不課税取引となります。
そのため商品券や図書券などの物品切手を購入時に課税
取引とすることはあまり行っていないと思われます。
【生徒】
それじゃあ物品切手等は購入時に課税取引とはしないん
ですか?
【先生】
断定的には言えません。定期的に購入しており、実際に自分で
使用していると証明できれば、購入時に課税取引としても問題
ないでしょう。
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