【先生】
前回に引続き利子についてのお話です。
今回はよく使うけれども複雑な取引となるクレジットカードに
ついて見ていきます。
【生徒】
父親がプラチナカード持ってるって自慢する知人がいます。
「お前が持ってるわけじゃないじゃん」って突っ込みたいところを
ぐっと堪えつつ、これからたかりまくろうと固く固く決心しました。
【先生】
クレジットカードを使った取引は「販売店と消費者」「販売店と
信販会社」「消費者と信販会社」にそれぞれ分けて考える必要
があります。
【生徒】
何か数字を出してもらったほうがわかりやすいかな。
【先生】
そうですね。
まず10万円でパソコンを買いました。支払いはカードで5回
払いです。
消費者は月末に代金が引き落とされます。その際手数料と
して1,000円が上乗せして引かれました。
販売店は信販会社から加盟店料500円が差引かれた上、
残額の代金が振り込まれました。
消費者は信販会社に年会費として2,100円を払っています。
【生徒】
OKです。
【先生】
まず販売店と消費者ですが、これは問題ないでしょう。
10万円のパソコンを買ったという通常の取引ですので、課税
取引です。
問題は販売店と信販会社間の取引です。
まず販売店は消費者に10万円のパソコンを売りましたが、
代金は未回収です。消費者に対し10万円の債権を持っている
状態ということですね。
販売店はこの債権を信販会社に売ります。信販会社は買い
取った債権を消費者から回収しますが、回収が完了するのが
5ヵ月後です。回収より先に販売店へお金を支払うのですから
その利息分を手数料として徴収します。
つまり販売店が信販会社に払う500円は利息に準じるもの
として非課税取引となります。
また債権の売買自体も、利子を対価とする貸付金の貸付に
類する行為として非課税になります。
【生徒】
はぁ・・・要は販売店と信販会社間は非課税取引になると・・・
【先生】
そうです。
次に消費者と信販会社ですが、まず月末に引き落とされていく
お金は、単なる代金の支払ですので課税の対象とはなりません。
その際支払う手数料1,000円ですが、これは後日お話しする
割賦購入斡旋手数料となりますので、その額が契約で明示され
ている場合には非課税取引となります。
【生徒】
手数料は非課税なんですね。だとすれば年会費も非課税取引
ですか?
【先生】
いえ、年会費は課税取引となります。
これは何かの利息分ということではなく、この年会費を支払う
ことによって、クレジットカードにかかるサービスを信販会社から
受けるというものです。
【生徒】
つまりサービス提供の対価ということで、課税取引ということに
なるんですね。
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