週刊税務調査日記

要領の悪い調査 (1)

第365号 2010/7/28

不動産関連の会社に対する税務調査です。

顧問税理士は、私のほかに国税のOB先生がいます。

OB先生とは面識がなく、今回の調査ではじめて会います。

調査当日、10時前に納税者の会社に行きます。

既にOB先生は会社にいました。

調査官も到着です。

中年の男性2名での調査です。

■会計事務所

「よろしくお願いいたします」

●税務署

「お願いいたします」

世間話が終わり、会社概況の聴取も終わって、帳簿調査の開始です。

「総勘定元帳を見せてください」

▲納税者

「はい、これです」

「え~ こんなにあるんですか?」

■会計事務所

「それはそうですよ、売上規模で50億円くらいあるのですから」

●税務署

「そうか・・・ちょっと急がないと・・・」

「すみません、給与関係の書類を見せてください」

▲納税者

「社員が50人くらいいますが、全員分ですか?」

●税務署

「そうです」

「全員分見せてください」

▲納税者

「はい どうぞ」

●税務署

「え~ こんなにあるのですか?」

▲納税者

「そうです」

●税務署

「これは大変だ、急がないと・・・」

「すみません、売上関係の資料を見せてください」

▲納税者

「売上関係の資料って、何を持ってくれば良いですか?」

●税務署

「請求書の控を持ってきてください」

▲納税者

「全部ですか?」

●税務署

「ええ」

▲納税者

「うちは売買仲介、賃貸仲介、賃貸物件の管理もやっていますから、どれか特定してもらわないと大変な量になってしまいますよ」

●税務署

「ん~ とにかく持ってきてください」

▲納税者

「え~ 全部ですか?」

●税務署

「とりあえず・・・」

ということで、会社の会議室は資料でいっぱいになってしまいました。

こんな調子で調査は進むのかな・・・・

つづく

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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