週刊税務調査日記

現金売上が抜けていた調査(3)

第361号 2010/5/10

調査中に現金売上が帳簿に載っていないことが分かりました。

調査官は、まだ気づいていません。

午後の調査が始まりました。

●税務署

「総勘定元帳を見せてください」

▲納税者

「はい、これです」

●税務署

「先ほど、現金売上があるとおっしゃっていましたが、当然領収書を発行していますよね?」

▲納税者

「はい」

●税務署

「領収書の控えはありますか?」

▲納税者

「いいえ、コクヨの使いっきりの領収書を使っていますので、控えはありません」

●税務署

「え~控えがないのですか?」

▲納税者

「はい」

●税務署

「控えがないとなると、どうやって現金売上を確認するのですか?」

▲納税者

「・・・・」

納税者が沈黙してしまいました。

ここで助け舟を出します。

■会計事務所

「現金売上は年に数回しかないので、それでも対応できるようです」

「そうですよね?社長」

▲納税者

「そう、そうです」

■会計事務所

「現金売上で集金した現金は、すぐに銀行で口座に入金していているはずですから、その記録で分かるはずです」

●税務署

「なるほど」

「そうですか・・・」

「分かりました、では次に仕入先からの請求書を見せてください」

ということで、現金売上についてはこれ以上触れられませんでした。

調査も、このまま終わりました。

ちょっと調査官が淡白というか、突込みが足らなかったようで、見逃されてしまいました。

おしまい。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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