●税務署
「形だけのJVへの参加って、どういうことですか?」
▲納税者
「実質的に親であるN建設がすべての工事を請負って、当社はほとんど何もしないということです」
●税務署
「御社はいわゆるペーパーJVということですか?」
▲納税者
「ペーパーJV、まぁ そんな感じかな・・・」
■会計事務所
JVに参加していても名義だけ連ねていて、名義料だけを受け取ることをペーパーJVと言います。
何もしないでお金だけをもらうことを意味するため、税務上は通常の取引として扱われないことが考えられます。
それではまずいので、助け舟を出します。
「ペーパーJVではないですよ」
「会社はちゃんとJV の仕事をしていますから!」
●税務署
「ん~ この件に関しては署に帰って検討させてください」
「N建設とのJVの契約書をいただけますか?」
▲納税者
「これが契約書です」
●税務署
「コピーを頂いて、これで帰ります」
調査は終わり、調査官は署に戻りました。
ペーパーJVが気にかかります。
後日、税務署から連絡がありました。
●税務署
「JVの件ですけれども、前受金で計上してあるのは、売上にしていただかないといけません」
■会計事務所
「どういった理屈でそのようなことをおっしゃっているのですか?」
●税務署
「納税者はペーパーJVと言っていましたよね」
「納税者が受け取ったお金は、請負工事の対価ではなく名義料ですから、工事の完成引渡しを待たずに、入金時に売上を計上しなくてはなりません!」
つづく
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。