調査当日です。
●税務署
「宜しくお願いいたします」
50歳代の上席調査官です。
まず、世間話をして探りを入れます。
■会計事務所
「地元の方ですか?」
●税務署
「いや、出身は千葉なのですが妻が新潟出身で、私も何度か新潟に来ている内に、すっかりこの土地が気に入ってしまいまして・・・」
■会計事務所
「は~ そうなんですか」
「東京は恋しくないですか?」
●税務署
「いや、もう田舎の人間になりましたから・・・」
朴訥な感じのよい調査官です。
調査官は世間話を早々に切り上げ、帳簿調査に入ります。
「山小屋でつけている帳簿を見せてください」
▲納税者
「この大学ノートに書いている現金出納帳だけなんですけど・・・」
●税務署
「それで結構です」
調査官は、帳面をじっくり見始めました。
「山小屋の宿泊者台帳はありますよね?」
「誰がいつ泊まったという」
▲納税者
「ええ、これです」
●税務署
調査官は、宿泊者台帳と現金出納帳を照合しています。
宿泊者の売上がすべて現金出納帳に記入されているかどうかの確認です。
「このお客さんの名前が現金出納帳にないのですが」
▲納税者
「え~ ないですか?」
●税務署
「出納帳の足し引きの計算が合わないですけど」
▲納税者
「え~ 本当ですか?」
●税務署
「電卓で算を入れてみてください」
▲納税者
「あっ 本当だ」
「合っていない・・・」
●税務署
「現金出納帳に名前のない宿泊者はどうですか?」
▲納税者
「ん~ 記載がないですよね~」
何か、ボロボロって感じです・・・
無断転用・転載を禁止します。
本メールマガジンに掲載されている著作物に対する以下の行為は、著作権法上禁止されており、著作権侵害になります。