IT関連の事業を営んでいる法人に税務調査の予告がありました。
調査当日です。
●税務署
「○○税務署の税野と申します」
40歳前半の上席調査官です。
落ち着いた雰囲気で、経験も十分ありそうな感じです。
売上や人件費、IT導入工事の仕掛具合などをチェックしましたが、今のところ目だった指摘事項はありません。
総勘定元帳を見ていた調査官の手が地代家賃勘定のところで止まりました。
「家賃を期末で年払いしていますが、この契約書はありますか?」
▲納税者
「はい、これです」
●税務署
「3月決算で、3月30日にまとめて家賃を支払っていますが、契約書を見ると4月1日から翌年の3月31日までの家賃ということですね?」
▲納税者
「そうです」
●税務署
「いや~これはまずいんじゃないですか?」
「短期前払費用の規定を使ったということですよね?」
■会計事務所
「そうです」
●税務署
「短期前払費用の規定では、支払った日から1年以内にサービスなどを受けることが前提になっているではないですか?」
■会計事務所
「そうですね」
●税務署
「そうすると、今回のケースでは支払った日が3月30日で、支払いの対象となる家賃は4月1日から翌年の3月31日ですから、1年を超えたサービスが対象となっていることになります」
「これはダメではないですか?」
つづく
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