英会話教室の税務調査です。
英会話の先生であるAさんと、Cさんは、他社の教室の先生もしているということで、問題があるかもしれないと調査官に言われました。
●税務署
「AさんとCさんは、他社においても扶養控除等申告書を提出していることはないですかね?」
▲納税者
「ん~ どうかな・・・」
●税務署
「両名に聞いていただけますか?」
▲納税者
「分かりました」
扶養控除等申告書は、複数の会社から給料をもらう場合、1社だけにしか提出することができません。
扶養控除等申告書の提出を受けた会社は、給与から天引きする源泉所得税は税額表の甲欄の金額を適用します。
従業員に扶養親族がいなくて社会保険料等を控除した後の給与額が30万円の場合には、甲欄で計算される源泉所得税は8,250円になります。
一方、扶養控除等申告書の提出を受けない会社は、税額表の乙欄で計算される源泉所得税51,800円を給与から天引きすることになります。
したがって、本来1社しか提出することができない扶養控除等申告書を2社に提出してしまうと、2社とも甲欄で計算した源泉所得税8,250円を給与から天引きしてしまうことになります。
そうすると、本来給与から天引きする源泉所得税は扶養控除等申告書の提出がある会社は8,250円、ない会社が51,800円で合計60,050円であるところが、8,250円×2の16,500円となり、差引43,550円の徴収漏れとなってしまうわけです。
ですから調査官が、扶養控除等申告書を同一人物が2箇所以上勤務している会社に提出していないかどうかを確認しているわけです。
この件に関して後日納税者から連絡がありました。
▲納税者
「AさんとCさんに聞いたところ、他社でも扶養控除等申告書を提出しているようです・・・・」
ちょっと面倒なことになりそうです・・・・
つづく
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