週刊税務調査日記

我慢できなかった調査 (5)

第271号 2007/9/3

税務調査の当日です。

上席調査官で、かなり経験のありそうな人です。

会社の概要から、取引内容、社長の略歴などを聞いて、いよいよ帳簿調査の開始です。

●税務署

「この売上に対応する仕入はどの分ですか?」

▲納税者

「あぁ それは△社からの仕入の分です」

●税務署

「△社からの請求書を見せてもらえますか?」

▲納税者

「はい、ちょっと待ってください」

それから15分経ちました。

▲納税者

「おかしいな」

「見つからないですね・・・」

「もしかしたらもらってないのかもしれません」

●税務署

「請求書をもらわないで、お金を支払うんですか?」

「それも200万円も」

▲納税者

「ん~ メールで請求してきたのかな・・・」

●税務署

「では、そのメールを見せてください」

▲納税者

「今探します」

それでまた15分経ちました。

●税務署

「まだ見つかりませんか?」

もう調査になりません。

終日こんな調子で調査官も呆れ果て、膨大な宿題を残して去って行きました。

■会計事務所

「こんな調子では、調査は終わりませんよ」

▲納税者

「はい・・・・」

■会計事務所

「本当に請求書とかがないのですか?」

▲納税者

「・・・・・・・」

■会計事務所

「これでは、税務署は得意先や仕入先に反面調査に入りますよ」

▲納税者

「え~ 仕入先や得意先に行って調査をするのですか?」

■会計事務所

「そうです」

▲納税者

「そんなことをされたら商売に影響してしまいます・・・」

■会計事務所

「ですから、出すものは出して、調査官が納得するような説明をしないと・・」

▲納税者

「はぁ」

しかし、その後も明確な説明はなく、税務署もしびれを切らして半面調査を開始しているでしょう。

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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