調査官は、その後も不動産の売買における資金の流れを追うために、いろいろな資料を要求してきました。
こちらとしては、別に隠し立てすることも何もありませんので、要求されたことはすべて応じました。
●税務署
「それでは、今日の調査はこれで終わりにしたいと思います」
▲納税者
「今日の調査って、調査は今日だけですよね?」
●税務署
「ええ、そうなんですけれども・・・また署に戻りまして不足資料とかありましたら、そのときはよろしくお願いいたします」
▲納税者
「分かりました」
●税務署
「それでは失礼します」
調査官は、そう言って帰っていきました。
▲納税者
「先生、今回の調査の狙いは何ですか?」
■会計事務所
「お父さんが借りて相続した銀行借入金の資金の流れの確認ですね」
▲納税者
「私は、不動産事業の資金を自分の生活のための資金にしたり、運用したりなんてしていませんよ」
■会計事務所
「それは分かっています」
「何も問題はないと私も思っています」
その後、調査官から電話で追加資料の請求があってからは、しばらくの間、何も連絡はありませんでした。
12月の第2週に入って税務署から連絡がありました。
●税務署
「大変恐縮なのですが、税務署まで来ていただけないでしょうか?」
■会計事務所
「はい分かりました」
事務所の担当者と約束の日に税務署に行きます。
●税務署
「ご足労いただきましてありがとうございます」
■会計事務所
「どのようなお話ですか?」
「納税者の資金の流れは問題ないと思いますが?」
●税務署
「ええ その点は私どもも確認しました」
■会計事務所
「では、何も問題はないですよね?」
●税務署
「いや それがあるのです」
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