☆質問
「新聞に、人材派遣会社、消費税逃れ、という記事が載っていました」
「どのように消費税を逃れたのか教えてもらえますか?」
★回答
「分かりました」
「消費税は、売上代金などとともに預かった消費税から、仕入代金などとともに支払った消費税を、差し引いた残りの金額を税務署に納めます」
☆質問
「はい、分かります」
★回答
「人材派遣会社も、人材派遣料とともに消費税をお客様から預かります」
「一方、人材派遣会社の原価は派遣する人材の人件費ですが、人件費には消費税がかからないため、人件費をいくら払っても消費税を支払うことはありません」
「すると、預かった消費税は多額になるのですが、支払った消費税は家賃などの経費の支払とともに支払ったものなどで、預かった消費税に比べると少額になるのが通常です」
「多額の預かった消費税から、少額の支払った消費税を引いた額が、消費税の納税額になりますので、納税額は多額になるわけです」
☆質問
「なるほど。そういう理屈で人材派遣会社は、消費税の納税額が多くなるわけですね?」
★回答
「そうです」
「問題の派遣会社は、実態のない会社を作って、その会社に人材派遣の外注を委託しました」
☆質問
「ダミー会社に外注費を支払ったということですね?」
★回答
「そうです」
「外注費だと消費税がかかるため、多額の支払った消費税が計上できるのです」
☆質問
「なるほど」
「そうすると、消費税の納税額は少なくなりますね?」
★回答
「そういうことです」
☆質問
「でも、ダミー会社では外注費として受け取った分だけ預かった消費税が計上されて、一方原価である人件費は消費税がかからないわけですから、結局、ダミー会社で多額の消費税納税額が生じるのではないですか?」
★回答
「ダミー会社を資本金1千万円未満で設立すると、設立第1期と第2期が消費税の免税事業者になるのです」
「つまり、ダミー会社は約2年間にわたっていくら売上を上げて消費税を預かっても、もともと消費税の納税義務がないわけですから、納税する必要はありません」
☆質問
「でも、3期目からは消費税の納税義務者となってしまうので、消費税の納税が始まりますよね?」
★回答
「そこで、ダミー会社を2期終了時点で解散して、また新たに資本金1千万円未満の会社を設立するのです」
「これを繰り返すと、ダミー会社は永遠に消費税の納税をしないで済むことになるのです」
☆質問
「は~そういうことですか」
「呆れた・・・」
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