週刊税務調査日記

貸倒れをめぐる調査 (2)

第207号 2006/5/1

●税務署

「この売掛金の貸倒処理について経緯を説明していただけますか?」

▲納税者

「はい、どれですか?」

●税務署

「この松井商事の件です」

▲納税者

「え~とそれは・・・あれ・・どうしたんでしたっけ?」

会計事務所の担当者に助けを求めています。

■会計事務所

「その件に関しては債権を会社が放棄しているはずです」

●税務署

「そうですか」

「債権の放棄は文書でやりましたか?」

▲納税者

「ん~・・・・」

■会計事務所

「そのはずです」

「そう指示しましたから」

●税務署

「内容証明郵便で出しましたか」

▲納税者

「・・・」

■会計事務所

「そのはずです」

「そうしてもらうようにお願いしましたから」

●税務署

「そうですか」

「内容証明郵便でしたら、会社にその控えがあるはずですから、その控えを見せてください」

■会計事務所

「控えを調査官に見せてもらえますか?」

▲納税者

「・・・・」

納税者の様子がチョッと変です。

■会計事務所

「どうしたんですか?」

▲納税者

「す すみません!」

「出していません」

■会計事務所

「債権放棄通知書をですか?」

▲納税者

「は はい・・・」

大変なことになりました。

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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