社長の個人口座への入金は、借入金の返済ということでしたが、外注先の経理処理では支払手数料として経費で処理してありました。
外注先の山下さんもなぜ経費処理してあるのか不明なため、顧問の税理士に聞いてもらうことにしました。
しばらくして、山下さんから電話がありました。
◆山下さん
「あの~ 何か税理士さんが経理処理を間違えてしまったみたいで・・・」
●税務署
「経理処理を間違えたって・・・もう申告済みですよ?」
◆山下さん
「うん だから 修正申告をするって顧問の税理士は言っていますが・・・」
●税務署
「ハァ~ 修正申告?・・・」
◆山下さん
「そうなんです・・・」
外注先の会社で、社長の話に合わせるように、支払手数料で処理して申告していた過去の税務申告を、支払手数料ではなくて、借入金の返済であったとする修正申告をするということのようです。
●税務署
「ん~ そうですか・・・」
調査官は、納得いかない様子です。
仕事をもらっている立場である外注先が、社長の話に合わせるように修正申告をするのではないか、と疑っているのでしょう。
●税務署
「そしたらですね」
「社長の口座に振り込まれた月を挟んだ前後1年分の山下縫製さんとの取引内容を教えてください」
▲納税者(社長)
「ほぼ毎月取引があるけれども、どのような資料が必要なの?」
●税務署
「山下縫製さんからの請求書を見せてください」
▲納税者(社長)
「はい どうぞ・・・気の済むまで見てください!」
調査官は、山下縫製が外注費を水増しして会社に請求し、そのお金を社長の個人口座にバックしたのではないかと疑っているのでしょう。
社長の口座に振り込まれた日より前の請求書金額が、他の月の請求金額と比べて不自然な動きをしていないかどうかを確かめるつもりです。
●税務署
「え~ そうしたら この請求書をお預かりしてもよろしいですか?」
▲納税者(社長)
「あぁ 別にいいよ」
調査官は署に戻って請求書の金額を分析するのでしょう。
ご苦労様です!
To be continued
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