調査官は、建物のオーナーが申告した資料を持ってきて、納税者が申告した申告書とチェックしていたのです。
事業所税は、事業所税の納税義務者に建物を貸している建物のオーナーについても、建物の貸付内容に関する申告書を提出させているのです。
「事業所用家屋の貸付等申告」というものです。
事業所税の納税義務者の申告内容をチェックするための反面資料です。
なかなかやるものです。
調査は続きます。
●都税事務所
「次に、従業者数のチェックをしたいと思います」
「従業員名簿を見せていただけますか?」
▲納税者
「はい、どうぞ」
●都税事務所
「パートタイマーはこの中にいますか?」
▲納税者
「はい、パートはかなりいます」
●都税事務所
「パートの人を、この従業員名簿からピックアップしていただけますか?」
▲納税者
「はい、分かりました」
「パートタイマーは、従業者数の計算で特別な扱いなのですか?」
●都税事務所
「正社員の4分の3以上働いているパートタイマーは、正社員にプラスして従業者数を計算するのです」
▲納税者
「え~ そうなんですか?」
「前の会計事務所では、そのような指導を受けませんでした」
「過年度の事業所税の申告では、パートも正社員と同様に従業者数を計算しています」
●都税事務所
「え~ そうなんですか?」
■会計事務所
「それでは税金が払い過ぎているのではないですか?」
▲納税者
「そういうことになりますよね」
「返してもらわないと・・・」
ということで、税務調査がとんでもない方向に行ってしまいました。
その後のパートタイマーの集計で、従業者数は100名以下になり、過年度の事業所税の申告が過大であったことが判明しました。
還付請求をしたところ、実に120万円の事業所税が返ってきたのであります。
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