週刊税務調査日記

税務署以外の税務調査 (6)

第177号 2005/9/26

事業所税の調査です。

まず、事業所税の概要について説明します。

事業所税は、市町村民税のひとつです。

人口・企業が集中している大都市(人口30万人以上)の都市環境の整備および改善のための事業費にあてるために、一定規模以上の事業をおこなっている事業主に対して課税されます。

個人事業主と、法人事業主が対象です。

事業で使用する床面積と従業者数によって課税されます。

東京都の場合は、23区全域で事業のために使っている床面積の合計が、1,000平米を超える場合にかかります。

貸しビルのオーナーは、たとえビルの床面積が1,000平米を超えていても事業所税はかかりません。

そのビルを借りている事業者が事業所税の対象になるのです。

ビルや店舗を借りて事業をしていても、合計の床面積が1,000平米以下であれば、事業所税はかかりません。

次に、従業者数ですが、これも東京都の場合は、23区全域で従業者数の合計が100人を超えた場合に、事業所税がかかってきます。

この場合の従業者数は、役員や従業員も含みますが、60歳以上の従業員、無給の役員、短時間労働者であるパートタイマーなどは含みません。

床面積が1,000平米を超える場合は、1平米600円の事業所税がかかります(東京都の場合)。

1,000平米で60万円の税金です。

従業者数が100人を超えた場合は、従業者給与総額の0.25%の事業所税がかかります(東京都の場合)。

年収400万円の人が100人で給与総額は4億円、事業所税は100万円になります。

飲食店を多店舗展開している法人に、この事業所税の調査の連絡が入ったのでした。

To be continued

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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