調査官が経理担当者の机の上のファイルや資料を片っ端から取り出したり、めくったりして内容を確認しています。
通常調査でこんなの初めてです。
机の上の調査も何も問題なく終わりました。
今度は何をするのでしょうか?
●税務署
「在庫の管理はどのようにしていますか?」
▲納税者(社長)
「すべてコンピュータで管理しています」
●税務署
「決算日現在の在庫リストもコンピュータの中に入っているのですか?」
▲納税者(社長)
「入っていますよ」
●税務署
「その在庫リストを含んだ、在庫のデータをフロッピーにでも落としていただけますか?」
▲納税者(社長)
「別にいいですよ」
■会計事務所
「えっ 本当にいいんですか 社長?」
▲納税者(社長)
「別にかまわないですよ」
●税務署
「在庫データはどんなソフトで管理しているのですか?」
▲納税者(社長)
「Accessです」
●税務署
「AccessでしたらExcel形式でも落とせますよね」
▲納税者(社長)
「ええ、落とせますよ」
「フロッピーでは容量が足りませんからMOに落としましょう」
●税務署
「はい、ありがとうございます」
在庫のデータを税務署にそのまま渡したケースは今までにありません。
税務署はそのデータを署に持ち帰り、データを開いてあらゆる方面から分析にかかるでしょう。
「社長、売上もパソコンで管理しているのですか?」
▲納税者(社長)
「そうですよ」
●税務署
「そしたら、決算日近くの売上げのデータもMOに落としてもらえますか?」
▲納税者(社長)
「いいですよ」
在庫のデータには、当然いつ仕入れたものかという情報が入っているはずです。
これに売上げのデータが加われば、「仕入、売上、在庫」という商売の基本となるデータの3点セットが全てそろってしまいます。
これらのデータをパソコン内で分析すれば、在庫の正確性、売上げ計上の妥当性などが検証できるわけです。
税務署にとっては、願ってもない情報を入手できたわけです。
チョッとサービスし過ぎですよ 社長!
To be continued
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