週刊税務調査日記

いろいろあった税務調査 (3)

第142号 2005/1/10

      新年、明けましておめでとうございます。

        今年もよろしくお願いいたします。

9月11日でなく、9月17日の本当の税務調査の日です。

10時前に納税者である会社の事務所に行きます。

まだ調査官は来ていません。

経理担当者とおしゃべりをしていると調査官がやってきました。

■会計事務所

「はじめまして」

●税務署

「先日は大変失礼しました」

■会計事務所

「いえ、終わったことですから」と言って名刺を交換します。

まだ若い調査官です。お茶が出て雑談が始まります。

●税務署

「いや~ 昨日海に行って日焼けしすぎて、痛いんですよ~」とかなり軽い調子です。

■会計事務所

「海水浴ですか?」

●税務署

「いや、サーフィンをやっているんですけれど・・・」

「短パンでやったもので、足が日焼けして・・・」

■会計事務所

「どこでサーフィンを?」と話題に乗っていくと、調査官もいい乗りで話し出します。

そんな感じでかなりの時間おしゃべりをしていました。

その後、社長から会社の概況を聴取して、本格的な調査の開始です。

●税務署

「多額の立退き料が特別利益に計上されていますが?」

▲納税者

「ええ、店舗の大家から立退きを要求されたんです」

●税務署

「それと多額の役員退職金が特別損失に計上されていますね」

▲納税者

「ええ、社長が役員を退任したんです」

「それで退職金を出しました」

●税務署

「そうですか」

「総勘定元帳を見せてください」

調査官はさっそく総勘定元帳の退職金の記載状況を見るべく、ページをめくっています。

「役員退職金は未払金で計上されていますね?」

▲納税者

「ええ、そうです」

●税務署

「実際にこの期に支払はないわけですね?」

▲納税者

「ええ、そのとおりです」

●税務署

「ということは、この期に退職金支給にかかる株主総会の決議があったわけですか?」

▲納税者

「ん~」 と言ってこちらを見ています。

■会計事務所

さっそくフォローします。

「臨時株主総会を開いて決議しています」

「議事録はありますよね?」と納税者に議事録の提出を促します。

▲納税者

「議事録?」

筋書き通りに行っていません・・・・・冷や汗タラリ・・・

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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