週刊税務調査日記

国税局OB先生立会いの税務調査 (6)

第137号 2004/11/22

調査2日目です。

OB先生は、まだ来ていません。

●税務署

「昨日の件の回答はいかがですか?」

▲納税者

「すみません。退職した担当者がつかまらなくて、もう少し待ってください。」

●税務署

「そうですか・・・」

「この取引に関連する資料は会社にありますよね?」

▲納税者

「ええ・・・あるはずなんですが、チョッとどこにあるのか・・・」

●税務署

「どこにあるのか分からないのですか?」

「そんなバカなことないじゃないですか」

「退職した担当者に聞かないと分からないなんて」

「出せない理由でもあるんですか?」

▲納税者

「いや・・・そんなことは・・・」

と経理担当者がしどろもどろになっているところに、タイミングよくOB先生の到着です。

◆OB先生

「おはよ~」と元気な声です。

●税務署

「おはようございます」と調査官は立って挨拶しています。

今までの態度とは大違いです。

◆OB先生

「何か問題ある?」

▲納税者

「いや、問題というほどではないのですけれど・・・」

「いま、この取引がチョッと問題になってまして・・・」

◆OB先生

「ん、どれどれ」 とOB先生が資料に目を通します。

「これの何が問題なの?」

▲納税者

「利益率が極端に低いところが・・・」

◆OB先生

「低くて何が悪いんだい?」

「その時々の取引で、利益率は変わって当然じゃないの?」

「えっ、違うか?」と調査官の方を見ます。

●税務署

「ええ、そのとおりなんですけれども、他に比べますと異常に利益率が低いので、何か特別な事情でもと思いまして・・・」

◆OB先生

「何か特別な事情でもあるの?」と経理担当者に聞いています。

▲納税者

「いやぁ。特にはないと思うんですが・・・何しろ担当者が辞めたもので・・・」

◆OB先生

「特にないんでしょう?」

「会社の人が特にないと言っているのだから、いいんじゃない?」

「何も問題ないよ、何も、な!」

●税務署

「はぁ」

OB先生のすごい迫力です。

調査官は完全に押されてしまってます。

「ガンバレ調査官!」 と言いたいのですが、調査官は下を向いてしまいました。

To be continued 

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
◆発行 アトラス総合事務所

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