調査2日目です。
OB先生は、まだ来ていません。
●税務署
「昨日の件の回答はいかがですか?」
▲納税者
「すみません。退職した担当者がつかまらなくて、もう少し待ってください。」
●税務署
「そうですか・・・」
「この取引に関連する資料は会社にありますよね?」
▲納税者
「ええ・・・あるはずなんですが、チョッとどこにあるのか・・・」
●税務署
「どこにあるのか分からないのですか?」
「そんなバカなことないじゃないですか」
「退職した担当者に聞かないと分からないなんて」
「出せない理由でもあるんですか?」
▲納税者
「いや・・・そんなことは・・・」
と経理担当者がしどろもどろになっているところに、タイミングよくOB先生の到着です。
◆OB先生
「おはよ~」と元気な声です。
●税務署
「おはようございます」と調査官は立って挨拶しています。
今までの態度とは大違いです。
◆OB先生
「何か問題ある?」
▲納税者
「いや、問題というほどではないのですけれど・・・」
「いま、この取引がチョッと問題になってまして・・・」
◆OB先生
「ん、どれどれ」 とOB先生が資料に目を通します。
「これの何が問題なの?」
▲納税者
「利益率が極端に低いところが・・・」
◆OB先生
「低くて何が悪いんだい?」
「その時々の取引で、利益率は変わって当然じゃないの?」
「えっ、違うか?」と調査官の方を見ます。
●税務署
「ええ、そのとおりなんですけれども、他に比べますと異常に利益率が低いので、何か特別な事情でもと思いまして・・・」
◆OB先生
「何か特別な事情でもあるの?」と経理担当者に聞いています。
▲納税者
「いやぁ。特にはないと思うんですが・・・何しろ担当者が辞めたもので・・・」
◆OB先生
「特にないんでしょう?」
「会社の人が特にないと言っているのだから、いいんじゃない?」
「何も問題ないよ、何も、な!」
●税務署
「はぁ」
OB先生のすごい迫力です。
調査官は完全に押されてしまってます。
「ガンバレ調査官!」 と言いたいのですが、調査官は下を向いてしまいました。
To be continued
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