絶え間なく鳴り響くコンクリートを削る音。
こんなに騒々しい中での税務調査も初めてです。
歯痛の調査官は、ほとんど調査になっていません。
目も真っ赤に充血しています。
その横で、統括官は一生懸命に帳簿をめくって作業を進めています。
部下がほとんど仕事にならないので、必死になって問題点を探しているようです。
●税務署(統括官)
「おい、大丈夫か?」
●税務署(歯痛の調査官)
「は~・・・」
●税務署(統括官)
「もう帰って、歯医者に行ってきたらどうだ?」
●税務署(歯痛の調査官)
「いいんですか・・・」
●税務署(統括官)
「その歯痛に、この騒音じゃ、堪らないだろう?」
●税務署(歯痛の調査官)
「はい・・・・」
涙ぐんでいるみたいです。
「統括、すみません。お言葉に甘えて、先に帰らせて頂きます。」
「すみません。お先に・・・」と言って手を頬に当てて会社を後にしました。
●税務署(統括官)
「いや、歯痛にこの騒音で、本当に参りましたね」と言いながら笑っています。
■会計事務所
「そうですね。あまりにもタイミングが良過ぎましたよね。」
▲納税者
「わざと税務調査に内装工事を当てた訳ではないのですけどね・・・」
なぜか、みんな笑っています。
他人の不幸を笑ってはいけませんが、歯痛に工事の絶妙の組み合わせに、やはり笑っちゃいます。
歯痛の調査官は親知らずでした。
早退したその日に歯医者で親知らずを抜いたのですが、抜いた後も歯茎が腫れ、翌日の調査も休みました。
調査の方は、統括官が1人で一生懸命にやりましたが、特に問題点は指摘されませんでした。
これも歯痛と工事のおかげだったのでしょうか・・・?
歯痛の調査官には本当にお気の毒な調査でした。
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