税務署に行って相続税調査結果の報告を聞いて愕然としました。
「所得のない配偶者は財産を形成できるはずはない」
「配偶者名義の財産は名義だけ配偶者で実質は故人の財産、すなわち相続財産を形成する」ということで、配偶者名義の財産約5千万円が相続財産の申告漏れであると税務署は結論付けています。
確かに生前における配偶者への財産の一方的な移転は贈与となり、贈与税の対象となります。
そこで贈与税の申告をして贈与税を納めていれば相続財産に取り込まれることはありませんが(相続開始3年以内の贈与や相続時精算課税制度による贈与は相続財産に取り込まれる)、相続前に名義だけを配偶者としたのでは相続財産として取り込まれることもあり得ます。
しかし、あまりにも唐突な税務署の結論で、狐につままれたような感じです。
■会計事務所
「取り敢えず、この財産計上漏れの一覧表を持ち帰って、納税者に確認してみます」
●税務署
「そうしていただけますか」
「その結果をご連絡ください」
こうして税務署を後にしました。
さっそく事務所に戻り、取り敢えず税務署からもらった一覧表を相続人あてに郵送します。
そして納税者に電話をしておきます。
■会計事務所
「○○さんですか?」
「本日税務署からもらった相続財産の計上漏れと思われる一覧表を郵送いたしました」
「お手元に届きましたら、ご連絡ください。ご説明いたしますから」
▲納税者
「はい、分かりました」
「ところで、いくらくらい計上漏れと税務署は言っているのですか?」
■会計事務所
「驚かないでください。約5千万円の財産が計上漏れだと言っています」
▲納税者
「えっ・・そんなに・・・」
■会計事務所
「ほとんどがお母さん名義の預金や有価証券を、お母さんが所得がなかったことから、これらの財産はお父さんのものだとして相続財産と認定した形です」
▲納税者
「母に所得がないとこのような扱いになるのですか?」
■会計事務所
「確かにお母さんが無収入だと、このような扱いになることは考えられます」
▲納税者
「でも、母は確かに今は無収入ですが、父が亡くなる1年前くらいまでは、父の会社から給料をもらっていたはずですけれど・・・」
■会計事務所
「えぇ それ本当ですか?」
To be continued
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