午後から、納税者の自宅で調査の再開です。
●税務署
「お店の売上代金は、夜間金庫に入れるのですか?」
▲納税者
「いえ、近くに銀行がないのでその日に自宅に持ち帰って自宅の金庫に入れておきます」
●税務署
「自宅の金庫に保管してその後はどうするのですか?」
▲納税者
「翌日か翌々日に銀行に入金します」
●税務署
「金庫には今現在何日分の売上が入っていますか?」
▲納税者
「2日分です」
●税務署
「金庫を開けていただきますか」
▲納税者
「いいですよ」
と言って、自宅の金庫を開けます。
●税務署
「現金を出して数えていただけますか」
▲納税者
「私が数えるのですか?」
●税務署
「われわれが直接現金に手を触れるわけには行きませんので・・・」
納税者は言われるままに金庫にあった現金を数え始めました。
●税務署
「昨日と一昨日の日計表を見せてください」
日計表とは、店のその日の売上と売上代金から支払った現金仕入や経費を一覧表にしたものです。
2日間の日計表の金額と金庫に入っている現金とは一致するはずです。
調査官は、このことを確かめるのです。
飲食店の場合、事前に調査予告をすると予め金庫内の現金と日計表の金額を合わせられるため、抜き打ちの調査となるわけです。
果たして現金は合っているでしょうか。
見ていてもチョッピリ緊張します。
▲納税者
「金庫内の現金は368,600円です」
●税務署
「日計表の合計金額は367,400円です」
若干の差額があります。
▲納税者
「あれ、おかしいな」
「もう一度数えてみます」
と言って再び現金を数え始めました。
しかし、やはり同じです。
1,200円合いません。
●税務署
「日計表の金額より1,200円多いのか・・・」
「なぜですかね?」
▲納税者
「ん~、分からないよね」
「俺の小遣いが紛れ込んだのかな・・・」
To be continued
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