週刊税務調査日記

定食屋さんの調査 (1)

第102号 2004/3/15

事務所に朝の9時過ぎに納税者の方より電話がありました。

▲納税者

「先生、税務署の方が店に3名いらしています」

納税者の方はもう何回も税務調査を経験済みで、あわてていません。

落ち着いたものです。

■会計事務所

「そうですか」

「今から伺います」

さっそくお店に駆けつけます。

お店に着くと、調査官3人が調査をしています。

まず、タイムカードと実際にいる従業員との照合です。

1人ずつ名前を聞いてタイムカードと照合していきます。

これは、架空人件費がないかどうかの調査手続きです。

タイムカードだけあって、その従業員がいないとなったら、これは大変なことになります。

また、パートタイマ-の奥様が夫の扶養から外れないために、タイムカードを別名で2枚に分けて、給与所得を調整しているようなこともあればこの手続きで判明します。

もう1人の調査官はゴミ箱を調べています。

ゴミ箱に前日の売上伝票が捨ててないか、前日の売上高を記載したメモ書きなどがないか、といったことを目的に調べているのでしょう。

レジの現金も当然確認します。

現金商売の税務調査はこんな感じで、前置きがありません。

●税務署

「出前はしていますか」

▲納税者

「はい、しています」

●税務署

「出前帳を見せてください」

▲納税者

「はい、これです」

調査官は出前帳を確認しています。

出前の分もちゃんと売上計上がされているかどうかの確認です。

そうこうしているうちに、時計は午前11時を回りました。

開店は11時30分ですので、お店での調査はこれ以上継続できません。

●税務署

「会計資料はどこに保管されていますか?」

▲納税者

「自宅です」

●税務署

「午後から自宅に伺って調査をしてもよろしいですか?」

▲納税者

「いいですよ」

●税務署

「では、1時にご自宅に伺います」

こうして、お店での調査は終了です。

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当メールマガジンは、税務調査を実際の経験を交えながら、面白おかしく

読み物として創作しているものであります。         

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To be continued

公認会計士・税理士・行政書士
井上 修
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